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【神奈川】

「戸塚駅周辺憲法9条の会」発足 「平和のバイブル守りたい」

「戸塚駅周辺憲法9条の会」の発足を呼びかける(左から)堤和馬さん、佐生共一さん、佐藤茂伸さん=横浜市戸塚区で

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 「戸塚駅周辺憲法9条の会」という一風変わった名前の護憲の会が18日、新たに発足する。5月3日の憲法記念日に安倍晋三首相が九条に自衛隊を明記する改憲の意向を表明したことをきっかけに、横浜市戸塚区のJR戸塚駅周辺に住む有志が立ち上がった。呼びかけ人は「『共謀罪』法は可決・成立したが、未来に生きる人たちのためにも九条を守るために会をスタートしたい」と話す。 (野呂法夫)

 「不戦の平和を誓った新憲法の施行から七十年。その年に生まれ、まさに日本国憲法は同級生なんです」

 戸塚区矢部町の会社役員佐生共一(さしょうきょういち)さん(70)は、9条の会を発足する思いを、友人をいたわるように話す。

 区内には既に九条の会があるが、改憲の動きに危機感を募らせ、知人に相談したところ賛同が相次いだ。米経済が専門の横浜国大名誉教授萩原伸次郎さん、自然食品店経営の佐藤茂伸さん、元行政ジャーナリストの堤和馬さんら六人が呼びかけ人に名を連ねた。

 佐生さんを突き動かしたのは、現代版の治安維持法とされる「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法だった。亡き父親磊(るい)さんは一九三六(昭和十一)年、中区のJR桜木町駅近くにあった三菱造船に勤務中、治安維持法違反で逮捕され、半年間にわたり神戸の水上署に勾留された。労働運動の活動から「海上共産主義者」にでっち上げられたが、嫌疑不十分で釈放された。

 「実家に特高警察が家宅捜索に土足で踏み込み、終戦まで父は保護観察下に置かれたという。こんな時代を再来させてはならない」

 戦後七十二年、不戦だったのは、日本を専守防衛で縛る九条の存在とみる。安倍首相が九条に自衛隊の存在を書き込む三項の新設について、堤さんも「その縛りをなし崩しにする正面突破作戦。『戦争法』の安保関連法に加え、『共謀罪』法も強行採決した。政権の私物化もあらわで独裁的な政治を感じさせる」。

 新しい会では、鎌倉時代以降の歴史や旧東海道の宿場、自由民権運動の伝統、戦時中の軍用産業の拠点など、戸塚のさまざまな顔にも光を当てる考え。佐藤さんは「今後の地域発展も学べたらいい」と言う。

 発足のつどいは午後六時から、戸塚区総合庁舎三階の多目的スペースで開催。県弁護士会人権擁護委員会副委員長の櫻井みぎわさんが「憲法って何? 今進行していること」をテーマに記念講演する。

 佐生さんは「日本国憲法は戦後の風雪に耐えて『古希』となり、輝きを増している。その平和の歴史のバイブルをご一緒に楽しく学んで、懇親を深めていきたい」と話している。

 問い合わせは、佐生さん=電090(2520)2677、Eメールsashou@nifty.com=へ。

◆大阪にも「山本駅前9条の会」 「ともに頑張りたい」エール

 全国各地に七千五百ほどある九条の会の名称は自治体・地域名や団体名が多く、特定の鉄道の駅名が付けられるのは珍しい。

 大阪には近鉄大阪線河内山本駅にちなんだ「山本駅前9条の会」がある。駅は大阪府の中央東側にあり、八尾、柏原両市の住人が通勤・通学などで利用する。同会の澤田義雄さん(69)によると、創設者が地域の住民だけでなく、駅の利用者を含めて広く九条の大切さを知ってもらおうと駅前で活動を始めたのが由来だ。

 毎月九日に駅前で宣伝活動を行い、成人の日には八尾市の会場でおとぎ話で護憲を訴える豆本用のA4判の紙を配布している。

 戸塚駅周辺憲法9条の会の発足について、澤田さんは「九条に自衛隊を書き込む改憲に絶対負けたらあかん。武力で平和をつくることはできない。駅利用者も巻き込み、ともに頑張りたい」とエールを送った。

 

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