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【神奈川】

海の厄介者「ムラサキウニ」を三浦名物へ 不良キャベツ与え養殖

青い水槽の中にエサのキャベツを入れてウニの養殖実験に取り組む臼井主任研究員=三浦市で

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 海の厄介者「ムラサキウニ」を養殖し、高級食材に生まれ変わらせようという試みに県水産技術センター(三浦市)が挑戦している。養殖に使うエサは市特産のキャベツ。マグロと並ぶ三浦の名物となることを目指す。 (加藤寛太)

 ムラサキウニは、沿岸の海藻類を食べ尽くし、サザエやアワビなどの生態に影響を与える「磯焼け」の原因の一つとされている。県沿岸でも、磯焼けは大きな問題になっている。磯焼け状態の海では、ムラサキウニの栄養が足りず、人が食する実(生殖巣)が十分に育たないことから、駆除の対象になっている。

 そこでセンターの臼井一茂主任研究員は「十分な栄養を与えれば実が入るのでは」と仮説をたて、エサをえり好みしないムラサキウニの特性を生かし、地元特産のキャベツに白羽の矢を立てた。品質が不十分で出荷されないキャベツが多く出ることから、処理にも役立つと考えた。

 三浦半島沿岸の漁師が採取したムラサキウニを養殖実験に活用。実をつける夏場前の昨年四月から五月にかけてキャベツを与えたところ、八十匹のウニが三日間で一玉をほぼ、完食した。

 実を調べた結果、天然では重さ全体の2〜3%程度しかつかないものが、平均で12・5%、最大17・3%つき、食用として十分な実入りが確認された。味についても、甘味、うま味成分が多く、食用として流通しているキタムラサキウニと遜色のないレベルだった。

 ことしは、養殖の規模を拡大し、日光の有無やエサにコンブを混ぜるなど、さまざまな条件の下での比較実験を実施中で、最適な養殖法を探究している。地元の京急油壺マリンパークと県立海洋科学高校にも協力を仰ぎ、飼育やエサの嗜好(しこう)実験などを担ってもらっている。

 臼井さんは「ムラサキウニ、キャベツともに元手はかからない。磯焼け対策とキャベツの残さ処理の一石二鳥で、地元産のウニとして販売できるようになれば」と意気込んでいる。

 

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