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【神奈川】

横浜市長選 林さん3選「政策評価された」

支援者と共にバンザイする林文子さん(中)=中区で

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 三十日投開票された横浜市長選は、二期八年の市政運営が評価された無所属現職の林文子さん(71)=自民、公明推薦=が三選を果たした。投票率は37・23%で、過去最低だった二〇一三年の前回を8・18ポイント上回った。当日有権者数は三百六万二千六十一人。林さんはこれまでの実績を強調し、市政の継続を訴えた。いずれも無所属新人で元衆院議員の長島一由(かずよし)さん(50)と元民進党横浜市議の伊藤大貴(ひろたか)さん(39)は、カジノ誘致反対や中学校給食実現を争点に掲げたが、二人で票を分け合い、林さんの対抗軸になれなかった。伊藤さんの市議辞職に伴う市議選緑区補選(被選挙数一)も同日、投開票された。

 現職の林文子さんの当選確実が伝わると、横浜市中区の事務所は拍手と安堵(あんど)の声に包まれた。林さんは午後八時すぎに現れ、「地味にこつこつ続けてきた政策が評価された。三期目を任せてもらい感謝している」と述べた。

 三期目に向けて林さんは「子育て、教育、高齢者問題など課題が多い」とし、「全てを支えるのは経済。ダイナミックな経済政策を打つ。ピンチをチャンスに変えていく」と、企業誘致や中小企業支援に引き続き注力する考えを示した。

 報道陣にカジノ誘致の方針を問われると「現状では白紙」と繰り返し、「選挙戦で反対の市民の声を聞いた。ただ、賛成の人もいる。市民の声を参考にして、中立的な立場で研究していく」と述べるにとどめた。

 林さんは自民、公明両党、民進党の一部の支援を受けた。ただ、選挙戦では政党色を出さないよう配慮。菅義偉(よしひで)官房長官の応援演説の予定があったが、陣営は「東京都議選の二の舞いを避けるため、やめた」と明かす。安倍晋三首相が都議選で応援演説した際、聴衆に「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と発言し、批判を受けたことを考慮した。 (志村彰太)

◆「組織力に勝てず」長島さん

 落選が確実になった無所属新人の長島一由さんは午後九時半ごろ、横浜市中区のJR桜木町駅前で取材に応じ「お金も組織もない中でベストを尽くしたが現職の組織力に勝てなかった」とさばさばとした表情で敗因を語った。

 林文子さんがカジノ誘致に前向きな発言をしたのを知り、出馬を決意。一月から活動を始め、反カジノや情報公開の徹底などを訴えた。だが、支持を広げるには至らなかった。

 それでも「カジノ反対の声は最初から最後まで多かった。カジノは絶対にやめてほしい」と力を込めた。(加藤益丈)

◆「力不足だった」伊藤さん

 落選の報を受けた無所属新人の伊藤大貴さんは午後八時すぎ、横浜市青葉区の事務所に現れ、「精いっぱい戦ったが力不足だった」と淡々と語った。

 出馬表明が六月下旬と出遅れた。擁立に動いた江田憲司代表代行に近い民進党議員や共産党の支援を受けたが、旧民主党系の民進党議員は林さんを支援し、苦しい選挙戦となった。伊藤さんは「三百七十万の市民に伝える難しさを感じた選挙だった」と振り返った。

 選対本部長を務めた民進党の真山勇一参院議員は「反カジノで民進党がまとまって戦うべきだった。こういう戦い方はあってはいけない」と話した。(原昌志)

◆ぼやけた対決構図 投票率37.23% 有権者の関心低く

 林文子さんが三選した横浜市長選の投票率は、過去最低の29・05%だった二〇一三年の前回から8・18ポイント上昇したが、37・23%と低調だった。新人二人の主張が重なって対決構図がぼやけ、投票意欲は高まらなかったとみられる。

 投票率は、統一地方選から分離した一九七八年から30%台で、衆院選と同日の二〇〇九年は68・76%に跳ね上がり、その後はまた下がった。神奈川大の大川千寿(ちひろ)准教授(政治過程論)は「有権者の関心が市政より国政に向いていることの表れ。今回は林さんに目立った失政もなく、投票に行こうという気持ちが湧きにくかったのでは」とみる。

 林さんの陣営幹部は「低投票率だと本当に市民の信任を得たとは言えない」としつつ、「投票率が上がりすぎると不利になる。盛り上げたくない」と複雑な思いを吐露。林さんが街頭に立つ機会は少なかった。

 大川准教授は「新人二人はカジノ反対を主張し、林さんはあいまいなまま争点化を避けた。争点の一つだった中学校給食の導入は直接、利益を受ける市民が限られる。有権者全体には選択の手掛かりが少ない選挙だった」と分析した。 (梅野光春、志村彰太)

 

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