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【神奈川】

相模原市の公民館有料化 交流の場、異論も多く

有料化についての話があった、中央公民館運営協議会の説明会=6月、相模原市中央区で

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 相模原市が検討している公民館の有料化を巡り、利用者や自治会の代表者たちでつくる各公民館の運営協議会への市の説明が終了した。公民館を無料で使える自治体は少なく有料化は時代の大勢とはいえ、人口が急増した同市では、新旧住民が集い、交流を深める場という貴重な役割を担ってきた。周知も十分とはいえず、「一度立ち止まって考えるべきでは」との声が上がっている。 (井上靖史)

 「突然、利用料の話が出てきた。市は市民サイドに立って、議会に諮る前に(一般市民向けの)説明会を開いてほしい」。六月上旬、中央公民館(中央区)の運営協議会への説明会で、会メンバーの木口栄さんが訴えた。

 市は三十二カ所ある公民館について、来年六月の利用分から部屋の広さに応じて一時間当たり百〜五百円を徴収し、年間約七千万円の収入を得る構想を描く。二〇一二年度に「受益者負担の在り方の基本方針」を定めたことや、公民館の維持管理費が年五億七千万円に上り、財政を圧迫していることを理由としている。

 だが、不満は多い。有料化案を知らない市民が多く、「市民会館などで、きちんと説明してほしい」「市の財政が悪化したのは市民の責任ではない」といった意見が出ている。

 料金を免除する基準に、あいまいさが残ることも不満の一因になっている。市は(1)公民館の主催・共催事業(2)地域自治、教育、社会福祉の振興が目的の団体の利用−などについては、料金を取らない考えを示している。とはいえ、免除対象になるかどうかは「各公民館の判断」(市生涯学習課)。中央公民館の説明会では「取るなら取る、取らないなら取らない方が分かりやすい」との指摘があった。

 有料化については市OBも異論を唱える。先月一日に市民団体「さがみはらの宝、みんなの公民館を守る会」が開いた集会で、公民館の勤務経験がある男性は「団体によって費用を免除すれば、サークル間の分断を招く」と主張。元市助役の古川喜章(よしあき)さんは公民館は地域交流の拠点である点に触れ「受益者負担という考え方は行政論」と断じた。

 公民館の有料化は各地で進み、県内の市町村で無料なのは平塚、茅ケ崎、厚木、伊勢原の各市と葉山町にとどまる。ただ、一九七〇年代以降に人口が急増した相模原市では、公民館は住民の拠点として不可欠な存在になってきた。

 市は今月二十五日に始まる市議会九月定例会に、関連議案を提出する方針だ。守る会の長田宏治共同代表(64)は十日、約二万三千人分の反対署名を市に提出。「有料化すれば、お金を払える人しか使えなくなる。受益者負担と言うが、地域づくりの拠点という役割を踏まえれば、受益者は市そのものではないか」と話した。

 

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