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【神奈川】

コミュニティーバス利用10万人 野川南台団地で独自運行

コミュニティーバスを運行するバス運営協議会のスタッフら=宮前区で

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 川崎市宮前区の県営野川南台団地自治会バス運営協議会が運行するコミュニティーバスの利用者が今夏、累計十万人を突破した。団地がある地域は坂が多く、バスは高齢者ら住民が周辺の店に買い物に行くときなどに使われてきた。利用者数を順調に伸ばしてきたといえるが、運営費の確保など課題も残されている。 (山本哲正)

 団地は一九六〇〜七〇年代、計二十五棟が整備され若い夫婦らが入居した。自治会によると、今は約六百八十世帯が入っており、入居率は約八割。平均年齢は七十歳を超えるという。

 団地の近くには買い物をするための店や医療施設がほとんどない。住民の中には、体力が衰えて歩くのが難しくなった人らがいたため、団地周辺の店で買い物などができるよう、二〇〇八年からコミュニティーバスの運行を始めた。

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 バスは、団地の集会所を出発、周辺の郵便局やスーパー、コンビニを回り、団地に戻る。一周は約二・五キロ。乗客の乗降なども含めて運行時間は約二十五分という。

 運行は月、水、金曜で一日十四便。運行日は決まって通院や買い物のために乗るという菅野弘子さん(73)は「バスがない頃は、重い荷物を持って、上り坂を団地に帰るのが大変でした。暑い日や雨の日は本当に助かります」と話す。

 バスとして使われているのは十人乗りのワゴン車。一日平均五十〜六十人、多い日は約百人の利用があるとか。運転に携わるスタッフは、住民がボランティアで担う。その一人、大城勝夫さん(75)は「利用者に『いつもありがとう』と感謝され、やりがいがある」。また狩野一男さん(72)も「感謝してもらい、うれしい。満員で乗れない時は申し訳ない思い」。降りるときに転びそうになる高齢者を支えることもあり、日ごろから体を鍛えることを心がけているという。

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 運賃は無料。車両購入の初期費用は市に出してもらったが、燃料費など年間約六十万円の経費は自治会から協議会への支援金や、廃品回収の収益、近隣企業の協賛金、住民の募金などで賄っている。

 自治会長でバス運営協議会代表の庄司幹夫さん(65)は「バスの運行はできる限り続けたい。費用負担は現状でとんとん。車両が傷みだしており、それに伴う費用などが心配」と話す。

 十万人を突破したのは七月二十六日。協議会は今月二十五日、集会所で記念の集いを開いて祝う。継承を願い、若者や子どもたちにも参加してもらうという。

 

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