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【神奈川】

横須賀舞台のアニメ 「聖地巡礼」ファン続々

等身大パネルが並び、壁にファンの寄せ書きが張られている「はいふりコミュニティスペース」=横須賀市で

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 地元が舞台のアニメを生かした観光客誘致が横須賀市で盛んだ。ご当地グルメと連携したイベントが人気を集め、作品に登場する「聖地」の老舗和菓子店が設けた交流スペースは毎週末、ファンでにぎわう。関係者は「街に活気を取り戻したい」と意気込む。

   (福田真悟)

 横須賀が舞台になっているのは「ハイスクール・フリート」(通称はいふり)。日本の国土が水没してから約百年後、海洋学校に通う女の子たちが海の安全を守るという設定。昨年春にテレビ放映され、今年五月には続編を収めたDVDが発売された。

 放映後、「聖地巡礼」のため多くのファンが横須賀を訪れるようになった。アニメに登場する三十三人と一匹の猫の好物などにちなみ、市内三十四店の指定メニューを食べ歩くスタンプラリーを昨年実施。二カ月で約一万八千食を売り、二百四十一人が「海軍カレー」や「ネイビーバーガー」などを含め完全制覇した。

 今年も四月から、ほぼ同じ店が参加する福引券キャンペーンを展開。購入額に応じて福引券を配り、十二月の最後の抽選会を前に福引券がなくなった店も多い。

 「聖地」の一つ、京急横須賀中央駅前にある創業一八九一(明治二十四)年の和菓子店「さかくら総本家」は昨年五月から土日限定で、空いていた自社ビル五階をファンに開放。「はいふりコミュニティスペース」と銘打つ室内は、登場人物の等身大パネルがずらりと並び、壁一面にファンの描いたイラストが張られている。

 「ファンが交流できて、街の情報も交換できる場所を作りたかった」と店長の坂倉純一さん(34)。当初は五人しか来ない日もあったが、監督や声優が繰り返し訪れたり、登場人物の誕生会を開いたりしているうちにリピーターが続出。「土日で最大六百人ほど来たこともある」と明かす。

 ファンの中には移住する人も。音楽制作関連の仕事をする石丸雄飛(ゆうひ)さん(27)は「『(飲食店が立ち並ぶ)どぶ板通り』など、街のあちこちから音楽が流れていておもしろかった」と二月に東京都内から引っ越し。大阪から七月に移住した男性会社員(35)も「ファンと顔を合わせて語り合えるのはありがたい」と語る。

 市の人口はピークだった一九九二年五月(約四十三万七千人)から減少傾向が続き、現在は四十万人余り。高齢化も進む。生まれ育った地元の衰退を憂う坂倉さんは「昔は商店街を歩けば肩がぶつかるのは当たり前だったのに、今は百メートル先まで見通せる。活性化のため、これからも続けていきたい」と力を込めた。

 

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