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【神奈川】

軍港めぐり「平和に」 横須賀、きょう定期運航10年目

海上自衛隊の艦船を眺める「軍港めぐり」の乗客=8月25日、横須賀市で

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 横須賀港に停泊している米海軍と海上自衛隊の艦船を船から眺める「YOKOSUKA軍港めぐり」が12日、定期運航を始めて10年目を迎える。乗客は年々増え、「軍港」の街を代表する観光スポットに成長した。一方で事業者は、基地との近さ故の配慮が欠かせないと語る。 (福田真悟)

 夏休み終盤の先月下旬、京急汐入駅近くの桟橋に着いた船に、家族連れなどが次々と乗り込んだ。案内人の解説を聞きながら約四十五分、米軍と海自の基地周辺を回る。同じく軍港が広がる佐世保などにもクルーズがある中、横須賀の売りは米海軍最大の第七艦隊の艦船が見られること。「本日の目玉、ロナルド・レーガンです」。原子力空母が視界に入ると乗客は身を乗り出すようにして見入った。

 ただ、見上げるほどまで近づけた海自のイージス艦と比べて遠目からしか確認できず、巨大さが実感できない。案内人は「長さは三百三十三メートル。東京タワーが横たわっているようなものです」と念を入れて説明した。

 近づける距離に差があるのは、船が越えてはいけないラインがあるからだ。日米地位協定に基づき、基地周辺には米軍への「提供水域」が設定され、沿岸から五十ヤード(約四十六メートル)は立ち入り禁止。「その線を越えないよう、余裕を保って運航している」と運営会社「トライアングル」(横須賀市)の鈴木隆裕社長(47)は話す。

 立ち入りが禁じられていない海域でも、いつ出入港するか分からない米艦の情報を得ようとインターネットなどを駆使し、何か動きがあれば通常と逆回りで運航するなどして近づくのを避ける。そうした配慮が実を結んでか、これまで米側からクレームを受けたことはない。「海自だけでなく、最近は米艦の乗組員も手を振ってくれるようになった」(鈴木さん)

 二〇〇八年に年中無休の定期運航を始めてから乗客数はほぼ右肩上がり。〇九年度の約十万人から昨年度は過去最高の約二十四万人まで伸ばし、累計で百万人を突破した。

 今や、横須賀観光の定番になったクルーズ。今後も続けるために鈴木さんは「平和であってほしい」と願う。原子力空母の配備や、米軍基地そのものに反対する声があるのも理解している。「我々は中立。お客さんの考えも十人十色だと思う。現状をありのままに感じてほしい」

 軍港めぐりは一日最大七便が一時間間隔で運航する。料金は中学生以上千四百円、小学生七百円。問い合わせは同社予約センター=電046(825)7144=へ。

 

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