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【神奈川】

大和米軍機墜落 市、追悼集会の後援見送り

事故の記憶を話す舘野さん=大和市で

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 米海軍厚木基地(大和市、綾瀬市)を離陸した空母艦載機が一九六四年九月、大和市上草柳の舘野鉄工所に墜落し五人が死亡、三人が重軽傷を負った事故を語り継ぐ「市民の集い」が二十四日、市内であった。過去二回、集会を後援していた市は、「事故には多様な意見がある」ことを理由に今回は見送った。

 住民でつくる慰霊実行委員会の主催。二〇一四年の事故後五十年を機に始まり、四回目。同鉄工所経営者の四男で三人の兄を失った舘野義雄さん(65)や、現場付近に住む青木幸弘さん(59)が当時を振り返った。

 軍事評論家の前田哲男さん(78)の講演もあり、北朝鮮と米国が武力衝突したケースについて解説。「日本は関係ない第三国という見方はされない。在日米軍基地の危険性は当然高まる。政府が取っている『対話は必要ない』という姿勢で良いのか、基地があるとはどういうことか、真剣に考えるべきだ」と指摘した。

 一方、市国際・男女共同参画課の担当者は後援しない理由の「多様な意見」の根拠として、市議会の対応を挙げた。昨年九月の市議会では、実行委が事故跡地を慰霊広場として整備するよう求めた陳情が、賛否を判断する前に審議打ち切りとなった。多数派の議員からは「事故を忘れたい人もいる」「艦載機の岩国基地(山口県)への移駐をまずは見届けるべきだ」といった意見が出ていた。

 実行委の久保博夫事務局長(66)は「(集会は)二度と起きてはいけないと考え、慰霊のためにやっている。市が議会の考えを忖度(そんたく)するのはおかしい」と憤る。舘野さんも「事故の危険は遠い昔ではなく、今もある問題。当時を振り返るのはつらくて本当はしたくないけど、兄の死を無駄にせず、地域のためにと思ってやっているのに」と訴えた。 (井上靖史)

 

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