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【神奈川】

<衆院選 激戦の後>(下)地方政界 中央の決定でねじれ

 投開票前日の二十一日、立憲民主代表の枝野幸男(53)は横浜市港北区の日吉駅前にいた。7区で立民から立候補した新人中谷一馬(34)の応援演説。雨の中、枝野の「まっとうな政治を取り戻そう」との呼び掛けに、大勢の聴衆は熱狂した。

 しかし、その中に7区の港北、都筑両区の民進系地方議員は一人もいなかった。「皆、希望を応援してるよ」。中谷の選対幹部が声を潜めた。中谷は二〇一一年に民主(当時)の県議になってから、民進系地方議員と共に活動してきた。にもかかわらず、両区の民進系市議、県議計七人は全員、希望新人の川野案(35)についた。

 「党本部が希望を応援すると決めたから」「立民とは政治信条が違う」ことなどが理由だったが、関係者は「一年半後の統一地方選で、希望から刺客を送り込まれるのが怖いんだろう」と話した。

 希望は当初、破竹の勢いを見せていたとはいえ、統一選は一年以上も先。民進の支持母体で、中谷を推薦した連合神奈川会長の柏木教一(62)は「普段は天下国家を語りながら、結局はわが身しか考えない行動。人としてどうなのか」と憤った。

 党本部が強引に希望への合流を決めた結果、地方にねじれが生じた民進同様、自民も党本部の意向に大きく左右された。

 4区は保守が分裂し、公認の山本朋広(42)と、公示直前に自民に入党した浅尾慶一郎(53)の前職二人が対峙(たいじ)する形になった。一人しか当選しない小選挙区に同じ党が二人の候補者を立てるのはあり得ない。「冗談じゃない。後ろから鉄砲を撃つ行為だ」。県連幹事長の竹内英明(66)は顔を真っ赤にして怒った。

 旧みんなの党代表まで務めた浅尾の入党は、自民幹事長の二階俊博(78)が主導した。自民が推薦を出すとの話まで出たのを官房長官の菅義偉(68)ら県連が押し返し、浅尾は完全無所属で出馬。それでも票が割れ、立民に議席を奪われた。

 自民のある地方議員は「二階さんと菅さんの権力争いみたいに見えた。有権者に申し訳ない」とため息をつく。県連は「組織の分裂を招くやり方は筋が通らない」(竹内)と党本部に抗議する方針を示している。

 民進県連にも波乱要因は残る。立民と希望が県内に組織をつくり地方議員が移籍すれば、県連の基盤は揺らぐ。「もう国政の事情に翻弄(ほんろう)されるのはごめんだ。『かながわ民進党』という地域政党をつくって国政から独立する話も出ている」。県連幹部は、これから起こるであろう再編劇を思い、疲れた顔を見せた。 (敬称略)

 =(志村彰太)

 

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