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【神奈川】

俳優・別所さん代表 横浜市西区の短編映画専門館 12月2日閉館

シアターの座席を歩きながら10年間の取り組みを振り返る別所さん=西区で

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 俳優の別所哲也さんが代表を務める短編映画専門の映画館「ブリリア・ショートショートシアター」(横浜市西区みなとみらい)が、12月2日の営業を最後に幕を閉じる。開館10周年の来年2月に建物の定期賃借契約が切れるのに伴い「常設館として一定の役割は果たした」と、閉館を決めた。 (志村彰太)

 「日本は海外で評価されて初めて、一流と認める風土がある。日本人が自分たちで評価する社会をつくりたい」

 短編作品の国際映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」を一九九九年から開いている別所さんは二〇〇八年二月、こんな思いからシアターを開設した。この映画祭で人気だった作品や、上映しきれなかった作品を披露する場として脚光を浴びた。世界中から短編映画を集め、これまでに三千作品を上映。入館者数は二十六万人を数える。

 シアターの役割は上映にとどまらない。一一年の東日本大震災後、地域のつながりを重視する人が増え、シアターのロビーにあるカフェに近隣住民が集うようになった。「コミュニティーの結節点として、シアターの役割を見いだした。それまでは稼働率とか入館者数とか、数字ばかり考えていた」と、別所さんは振り返る。

 以降、ハロウィーンやクリスマスなどのイベントを開き、結婚式場やプロポーズ場所としても館を開放した。十年間でプロポーズを百六十組が成功させ、結婚式は八十組に及ぶ。上映以外の企画を増やし、人の集まる施設に変貌させた。シアターがなくなった後のスペースの利用方針は決まっていないが、「この空間の役割は時代とともに変化する。映画館の使命は果たした」と判断した。

 閉館後、短編映画の日常的な上映は専用サイト「ブリリア・ショートショートシアター オンライン」が担う。来年二月十四日にサイトを開設し、会員制で作品を二週間に一本のペースで公開する予定。会員ではなくとも、映画の魅力を紹介する特集記事は閲覧できるようにする。

 別所さんは「文明開化の地、横浜でショートフィルムの映画館を運営できたのは必然だった。閉館後も、横浜で映画のイベントを多く開き、ショートフィルムの文化を横浜から発信したい」と、新たなステージを見つめる。

 

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