東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 記事一覧 > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

地域の問題、伝えて20年 相模原の雑誌「アゴラ」

創刊号(右端)や最新号(左端)を前に、この間の歩みを振り返る山田さん=相模原市中央区で

写真

 相模原市民にもっと地元に関心を持ってもらおうと、主婦や元新聞記者らが一九九七年に創刊した地域の総合雑誌「アゴラ」が二十周年を迎えた。市民手作りの雑誌がここまで続くのは珍しく、節目を記念し十一日、人材育成コンサルタントの辛淑玉(しんすご)さん(58)を招いた講演会やバックナンバーの展示・販売がある集いを市内で開く。 (井上靖史)

 アゴラは「広場」を意味するギリシャ語。東京新聞記者として同市を拠点に二十五年間勤務した西尾顕爾(けんじ)さん(故人)が、九七年一月の市長選の投票率が約40%に低迷したのを嘆き「市民に議論のきっかけを提供しよう」と知り合いの主婦や建築士らと五人で始めた。

 A5判約百ページ。年四回発行し、一冊五百円。購読料と広告収入を基に八十二号まで出している。現在の編集委員は元市職員や主婦ら四人で、執筆を依頼される市民団体のメンバーや元新聞記者らと同様、報酬はなし。「伝えたい」との意欲のみで成り立っている。

 コンセプトは「市民と市民をつなぐ」。創刊数年後にメンバーに加わった編集責任者の主婦山田広美さん(57)=同市中央区=は「平和や人権、環境、文化、市政を取り上げる方針は今も変わらない」と話す。

 リニア中央新幹線や昨年七月の障害者施設殺傷事件など、地元が舞台になった重いテーマも識者に聞いたり、講演を聞いてまとめたりと真正面から取り組んできた。市民の意見をストレートに載せる姿勢から、著名雑誌にちなみ「相模原の週刊金曜日」とも呼ばれる。部数は創刊当初の五百部から百五十部ほど増えた。

 廃刊の危機もあった。発行責任者でもあった西尾さんが二〇〇四年二月に七十二歳で急逝。中心的存在を失い、直後の号は発行が一カ月遅れ、次号は休刊になった。それでも編集委員から「なくしてしまうのは悔しい」との声が上がり、半年後に再開した。

 当初は「続いても三年」と言われていたという。山田さんは「市民の地域への関心が高まったかは分からないけど、市民が感じている率直な思いは伝えてきた。社会や市内の問題について自分の考えをアゴラに投稿したいという人も増えている」とこの間の歩みを振り返った。

 十一日の集いは同市中央区の市民会館大会議室で午後一時半から。市民の意識喚起を訴えてきたのに合わせ、辛さんに「いま、一人一人が大切にしなければならないこと」をテーマに話してもらう。参加費五百円、申し込み不要。問い合わせは山田さん=電090(7908)6978=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報