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【神奈川】

相模トラフ地震想定、12日藤沢で訓練 津波避難の意識高め減災へ

津波が来たらすぐに逃げるよう呼び掛ける掲示板。右奥は江の島=藤沢市で

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 県西部から東京都、房総半島南部にかけての地下が震源域の相模トラフ地震による津波被害が予想される藤沢市沿岸部で12日、避難訓練が実施される。津波は高さ10メートルに及ぶとの想定がある中で、参加する住民は毎年1割以下。江の島などを抱える観光客が多い地域でもあり、市は「住民の避難を見て観光客も行動する。より意識を高めてもらえれば」と訴える。 (布施谷航)

 訓練は二〇一三年に開始。当日は午前九時から、片瀬、鵠沼、辻堂の三地区の住民が決められた経路をたどり、マンションや公共施設などの避難場所を目指す。市危機管理課の石倉隆広上級主査は「相模トラフ地震による津波は十分ほどで到達するといわれる。五分ごとに経過時間を伝えて、緊張感のある訓練にしている」と話すものの参加者は例年、対象住民約五万人のうち三千〜四千人にとどまっている。

 津波が襲うのは住民だけではない。江の島は二〇年東京五輪セーリング競技の会場になっていて、選手、スタッフに加え大勢の観光客が訪れる。その時に津波が来たらどうなるか。言葉が十分に通じない外国人を含め、避難場所の島頂上部などへスムーズに向かえる保証はない。

 石倉さんが期待するのは住民の積極的な行動だ。日頃から訓練に参加するなどして避難場所へスムーズに行けるようにしておけば、土地勘のない観光客らも後をついていく。

 政府の中央防災会議は、相模トラフが震源だった一九二三(大正十二)年の関東大震災と同型の地震が起きた場合、関東を中心に死者は最大七万人、焼失・全壊は同百三十三万棟と見積もっている。一七〇三年の元禄関東地震型だと、二十メートルの津波が押し寄せる地域もあるとしている。

 五日は、東日本大震災後に防災意識の啓発のために創設された「津波防災の日」。訓練の参加者からは「目的地に歩いて行くだけで毎年代わり映えしない」との声もあるというが、意味のあるものにするかどうかは気持ちの持ち方次第。石倉さんは「それぞれのやり方で、うまく活用してもらいたい」と語った。

<津波防災の日> 江戸時代の1854年11月5日、安政南海地震で和歌山県を襲った大津波で、村人が収穫したばかりの稲むらに火をつけて村民を避難させた「稲むらの火」の伝承を基に、東日本大震災が起きた2011年に定められた。15年には国連総会で「世界津波の日」とする案が採択された。

 

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