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【神奈川】

<元気人@かながわ> 「よこすかなかながや」代表・和田信一さん(50歳)

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 週三日、横須賀市池上の古民家の和室を地域の子どもに開放し、ボランティアと一緒に見守る活動を六月に始めた。小学生らは手作りの夕食を楽しみ、宿題をしたりゲームをしたりと思い思いの時間を過ごす。

 「近年、問題になっている子どもの貧困は栄養不足だけでなく、心にも悪影響を及ぼしかねない。生きづらさを感じた時、気軽に立ち寄れる場所をつくりたかった」と語る。

 活動の原点は少年時代にある。非行に走った仲間の多くは、両親の離婚などで厳しい家庭環境に置かれていた。「安心できる居場所がなく、道を踏み外すケースを間近で見てきた」と振り返る。長年、長距離ドライバーの仕事に忙殺され、自分の子どもと接する時間をあまり持てなかった反省もある。

 「なかながや」というネーミングは「みんな『仲』良し」「お『腹(なか)』いっぱい」の「なか」と、民家を表す「長屋(ながや)」の組み合わせ。以前に手伝っていた市内の子ども食堂は開かれるのが月一回。「せっかく訪れた子が深刻な悩みを打ち明けてくれても、次に会えるのは来月。そこで関係がいったん途切れてしまう」。もっと頻繁に寄り添える拠点を目指そうと今年初めに動きだした。

 古民家の改修費などはインターネットで寄付を求める「クラウドファンディング」で募り、家賃や光熱費は手弁当で賄う。食材は、余った野菜を分けてくれる地元の農家や、賞味期限内に廃棄される食料を集めるフードバンクからの提供が頼りだ。日ごろは福祉施設で働き、夜勤をこなしてから食事の準備をすることも。近所の主婦らが手伝ってくれるものの「資金も体力もぎりぎり」と苦笑する。

 いずれは毎日開きたいと願う。「共働きの家庭が増え、親との関わりが薄かったり、食事がインスタントラーメンばかりだったりする子も多い。『また明日』と言ってあげられる居場所は大切」。活動を知ってもらおうと子どもの貧困がテーマの映画の上映会や、親子が対象のヘアサロンなどイベントの開催にも力を入れている。

 詳細は「よこすかなかながや」のフェイスブックで。 (福田真悟)

◆私の履歴書

1967年6月 横浜市金沢区で生まれる

 91年   サラリーマンを辞め、弁当店の経営者に。数年後、長距離ドライバーに転身。その後、福祉施設で働く

2015年   横須賀市の子ども食堂を手伝う

 17年6月 子ども支援拠点を同市池上にオープン。9月に「よこすかなかながや」と命名

 

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