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【神奈川】

アジアの落雷被害防げ 多発地帯で電磁波感知し情報共有

バングラデシュなどにプロジェクトを拡大する成田教授=藤沢市の湘南工科大で

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 インターネットを通して世界の落雷情報を共有し、対策に役立てる民間のプロジェクトが今月、雷の多発地帯であるバングラデシュとインドで始動する。主導するのは湘南工科大工学部の成田知巳教授(52)。モンゴルやタイに拡大する動きもあり、アジア全体での被害減少につながると期待されている。 (布施谷航)

 プロジェクトは「Blitzortung.org(通称ブリッツ)」と呼ばれ、ドイツの大学教授らが五年ほど前に始めた。落雷で生じる電磁波を世界各地の受信機で感知し、インターネットでドイツにあるサーバーに情報を集約。サイトを見れば誰でも確認できる仕組みだ。

 受信機の材料費が日本円で五万円前後と安い上に作るのも比較的簡単で、世界に約二千台が置かれている。昨年から参加した成田教授も国内二十四カ所に設置した。

 雷対策を考える上で発生のメカニズムを知るのは不可欠。その点でブリッツは有効なのに、参加しているのは欧米やオセアニアの科学者と市民が中心だ。東南アジアや南アジアでは認知度が低く、成田教授は知り合いの大学教授らに、各国の科学者に呼び掛けるよう訴えてきた。

 その結果、京都大防災研究所の石川裕彦教授は、バングラデシュ工科大からの留学生のつてで同大教授と接触。気象学が専門のインドの教授も協力を快諾した。成田教授らは十八日から両国を訪れて受信機を各一台設置し、意見交換する。

 他にも琉球大の教授がモンゴル、北海道大の教授はタイで協力者を見つけた。「バングラデシュでは昨年、四日間で六十五人が落雷で死亡した。組織や国を超えて科学者が協力し合えるのはうれしい」と成田教授。雷が発生する仕組みや、早期警戒を呼び掛ける防災システムを研究するアジア各国のネットワーク構築も視野に入れている。

 

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