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【神奈川】

小児がん克服、絵本で支援 横浜の小4・栄島君

絵本の制作メンバーたち。手前中央が栄島四郎君=横浜市港南区で

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 小児がんを絵本で知ってほしい−。三歳で脳腫瘍と診断され、治療を重ねてがんを克服した横浜市の少年の願いが実現しそうだ。絵本のタイトルは「しろさんのレモネードやさん」。協力の輪が次々に広がり、作画担当や出版社が決定。「深刻なテーマでも、楽しく読める絵本」を目指して制作が進む。順調なら来年六月に出版される。 (梅野光春)

 絵本の舞台は仮想の遊園地で、主人公は小児がん経験者の「しろさん」。しろさんが遊園地で出会った「レモンちゃん」とレモネード販売のスタンドを開き、収益を小児がんの研究機関に贈るという筋書き。

 しろさんのモデルは、横浜市西区の小学四年栄島四郎君(10)。自ら乗り越えた小児がんの存在を「いろんな人に知ってほしい」と絵本作りを発案した。自身が通う作文教室の松崎雅美さん(47)=金沢区=に相談し、今年四月から準備を本格化。このころ同じ作文教室の小学四年川口蒼(そう)君(10)=同区=が「遊園地を舞台にしよう」と提案し、ストーリーの骨組みが固まった。

 絵は、松崎さんと会員制交流サイト(SNS)で知り合ったイラストレーター矢原由布子さん(37)=港南区=がボランティアで請け負う。絵本の出版経験もある矢原さんは「読んで温かい気持ちになれる絵を描きたい」と話す。B5判三十ページのうち、まず一ページ分の絵が完成。出版社はこの秋、吉備人(きびと)出版(岡山市)に決まった。

しろさんとレモンちゃんがレモネードスタンドを開く様子を描いた原画

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 夢の実現が近づき、四郎君は「ちょっと言葉が出ないです」と笑顔。絵本作りで四郎君を支える松崎さんは「小児がんの闘病体験を記した本はあるが、真実を描いているだけに内容が重かった。誰でも気軽に手に取れる絵本で、子どもたちが小児がんを知るきっかけにしたい」と話す。それが、がんや後遺症と闘う子どもたちの支援につながれば−との願いを込める。

 初版は三千部を予定。四郎君は原画の画材代などを捻出するため、九、二十三日の両日午前十一時〜午後四時にレモネードスタンドを開く。会場はともに、横浜駅西口から南西約五百メートルの平沼橋の橋桁下の広場(横浜市西区)。問い合わせは松崎さん=電090(2050)6672=へ。

 

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