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【神奈川】

子どもの権利条例理念広めたい

フォーラム設立総会に集まったみなさん=高津区で(かわさき子どもの権利フォーラム提供)

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 川崎市が全国に先駆けて二〇〇〇年に制定した子どもの権利条例の理念をあらためて広めようと、制定に関わった元市職員や学識経験者らが、市民団体「かわさき子どもの権利フォーラム」を設立した。十七日に高津区でシンポジウムを開き、子どもたちをめぐる現状と課題を話し合う。(大平樹)

 権利条例は、子どもに「安心して生きる権利」や「ありのままの自分でいる権利」などがあることを明文化し、子どもの人権を総合的に保障している。

 政府が一九九四年に批准した国連子どもの権利条約が定める、子どもの自己決定権や意見を表明する権利も盛り込み、二〇〇〇年十二月の市議会で全会一致で可決された。

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 フォーラムは今年八月に設立され、代表には市教育委員会の職員として条例案の策定に携わった山田雅太(まさた)さん(64)=市生涯学習財団理事長=が就いた。山田さんは、市内の小中学校などで、条例で保障している権利について子どもたちや教員に講演している。

 山田さんによると、フォーラムの設立は、一五年の川崎区での中一男子殺害事件がきっかけだった。事件の背景には不登校や貧困、外国人支援などが複雑に絡み合っていたとされ、市内の教育機関や子どもの支援団体関係者たちに、「条例の理念が社会に浸透していないのではないか」との危機感が生まれたという。

 山田さんは「子どもたちが自分自身の権利を理解することは、他人の権利を尊重することにつながる」と権利教育の重要性を訴える。フォーラムの活動を通じて「条例の理念を生かし、困っている子ども自身がSOSを発することができて、大人がそれを受け止められる社会にしていきたい」と語る。

 事務局を務めるのは、条例制定当時高校二年生で、「子ども委員」として条例案づくりに関わった川崎区の円谷雪絵さん(34)。二人の子どもを市立小中学校に通わせている円谷さんは「条例のことを子どもに正しく伝えられる教員が少なく、さみしく思っていた。市民の立場で理念を根付かせていきたい」と話す。

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 シンポジウムは十七日午後二時から、高津区溝口一の四の一、高津市民館大会議室で。市と市教委が主催し、内容はフォーラムが企画した。子どもの権利に詳しい早稲田大の喜多明人教授や、条例制定を受けてできた市子ども夢パーク(高津区下作延)の西野博之所長が講演。参加者たちはいじめや不登校、子どもの権利学習、子ども食堂の役割、乳幼児の権利などのテーマに分かれて話し合う。

 参加無料で事前申し込み不要。託児所はないが子連れでの参加も可能。問い合わせは、かわさき子どもの権利フォーラム事務局=電080(3471)6448=へ。

 

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