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【神奈川】

市民が案内、助言…三浦市への「移住」サポート

お試し居住に参加した家族連れを案内する菊地さん(右)と浅葉さん(左)=三浦市で

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 人口減少が進む三浦市で、市内への移住希望者を支援する市民グループが誕生した。「ミサキステイル」と名乗る5人は、地元で生まれ育った商店主に移住者、不動産業者と多様な顔触れ。それぞれの得意分野を生かして地元の魅力を伝え、市が課題にする定住促進に力を注ぐ。 (福田真悟)

 グループの拠点は三浦半島南端の三崎地域。「三崎マグロ」を求め多くの観光客が訪れる一方、狭い路地に古い店が並ぶ下町かいわいは空き家が目立つ。「開発の手が入っていないからこその希少価値があるのに、もったいない」と憂う商店主らが昨年末に結成。名前は地名に「スタイル」「ステイ」を組み合わせた造語で、「三崎らしい滞在」を意味する。

 メンバーは、市内の空き家で一カ月ほど生活体験できる市の「トライアルステイ(お試し居住)」の参加者を案内している。九日には、大学院時代から地元の活性化に関わってきた「ミサキステイル」発案者の菊地未来(みく)さん(28)と、市内で父から引き継いだ塗装屋を営む浅葉洋介さん(48)が参加者五人と下町を散策した。

 古い建物を活用したおしゃれな読書スペースを訪ねたり、大漁旗を作る業者に話を聞いたりと、地域に根差す二人ならではのネットワークを駆使し、見どころを紹介。メンバーが勢ぞろいした交流会では、地元で評判の海鮮や中華などの店から料理を取り寄せて振る舞った。

 浅葉さんは「市だと公平の観点から特定のお店などを紹介できない。市民のわれわれだからこそできる」と強調。妻子と参加した東京都町田市の会社員能戸崇志さん(40)は「観光で訪れた時より街がどういうところか分かり、身近に感じた」と喜んだ。

 観光客らが立ち寄れる相談所も構えた。メンバーの安原芳宣(よしのり)さん(57)夫妻が下町で開く古道具店「ROJI」では、八月から「私設移住相談所」のシールを入り口に貼った。都内から十年ほど前に引っ越してきた安原さんが、移住者の目線で地域への溶け込み方などを助言する。

 希望者には、不動産業者の岩野孝一さん(42)につなぐ。「たまたま空いた物件をすぐに紹介し、購入が決まったこともある」(岩野さん)。スピーディーな対応が実を結び、転入につながる例も出ている。

 市の人口は約四万四千人と十年前から一割強減り、民間研究機関の「消滅可能性都市」にも挙げられる。メンバーは「三浦暮らしは不便さもあるが、困ったことがあればサポートする。一度訪れてみて」と呼び掛けている。

 

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