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【神奈川】

「思いやり予算」テーマの映画 海老名在住の米国人監督「問題点、からくり気付いて」

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 沖縄の小学校への部品落下など在日米軍によるトラブルが相次ぐ中、駐留経費を日本政府が負担する「思いやり予算」をテーマにした映画「ザ・思いやりパート2〜希望と行動編」が16日から、横浜市中区長者町の「横浜シネマリン」で上映される。海老名市在住の米国人監督リラン・バクレーさん(53)は「基地の問題点やからくりに映画を通じて気付いてほしい」と呼び掛ける。 (井上靖史)

 テキサス州出身のバクレーさんは高校時代にホームステイした縁で日本に留学し、日本人女性と結婚した。市内で約二十年、英会話教室を開き、青山学院大の講師も務めている。

 イラクなどにおける祖国の戦争が「倫理に反しているのでは」と疑問を持ったバクレーさん。日本が基地従業員の給与や水道・光熱費に加え、住宅や学校などの建設費までも負担していることを奇妙に思うようになった。

 仲間と取材を始め、二〇一五年に映画「ザ・思いやり」を公開。「米国に外国軍が駐留したら?」と米国の街角で尋ねるなどコミカルに問題提起した。第二弾は「米国は日本を守ってくれるのか」との問いを基に、沖縄などの基地周辺で住民らに話を聞いて実態を浮かび上がらせている。

 バクレーさんは「戦略的に(上陸作戦が主任務の)海兵隊の存在意義は低下しているが、一度手にした基地を簡単には手放さない。カリフォルニア州は企業収益の半分が軍需産業。日本の基地問題の大部分は米国の国内問題」と分析する。

 その上で「日本人はまじめで、禁煙の取り組みやハラスメント対策などは時間がかかっても改善されてきた。基地の問題にも気付くはず。笑える場面もたくさんあるので、まずは映画を見てほしい」と話した。

 上映時間は二十二日までが午後零時十分〜同一時四十五分、二十三〜二十九日は午後六時半〜同八時十分。十七日は休映。問い合わせは同映画事務局の佐藤さん=電090(2625)8775=へ。

報道陣の取材に応じる神谷園長(右から2人目)=14日、沖縄県嘉手納町で

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◆厚木基地周辺に募る不安 米ヘリ窓落下、訴訟原告団が沖縄視察

 沖縄県宜野湾(ぎのわん)市にある米軍普天間(ふてんま)飛行場所属のCH53Eヘリコプターが十三日、重さ七・七キロの窓を市立普天間第二小学校の校庭に落下させた。保護者は青ざめた様子で子どもを迎え、米軍機が人口密集地で飛行する危険性をあらためて露呈した。厚木基地(大和市、綾瀬市)でも部品の落下や紛失はたびたび起きている。住民らの不安は募る。

 「明日はわが身。いつどうなるか…」。厚木基地から約五百メートル離れた大和市桜森で保育所を運営する伊地知るみさん(56)は声を震わせた。事故翌日の十四日、厚木基地騒音訴訟原告団の一員として沖縄を視察。同小でグラウンドに残った窓枠の跡を目にし「外遊びするのは怖い。控えなくてはならないのでしょうか」と漏らした。

 厚木基地を拠点とする米空母艦載機は岩国基地(山口県岩国市)への移駐が決まっている。ただ、米軍は厚木基地を今後も使用すると明言しており、飛来は続く。伊地知さんは「多くの人に基地の実情を知ってもらわなくては」と話す。

 沖縄では七日にも、宜野湾市の保育所の屋根で米軍ヘリの部品が見つかった。報道陣の取材に応じた園長の神谷武宏さん(55)は「飛ぶ以上、また事は起きる」と訴えた。

 基地問題に詳しい沖縄国際大非常勤講師の屋良朝博(やらともひろ)さんは「本来なら、整備不良なども想定した危険回避措置を講じなければならない。基地を提供する日本政府の責任であり、日米同盟や安全保障論とは別次元の問題だ」と指摘した。 (原昌志)

米原子力空母付近で海水などを採取する横須賀海上保安部の職員ら=横須賀市で(同部提供)

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◆横須賀で日米 原子力防災訓練 変わらぬ想定、疑問の声

 原子力空母「ロナルド・レーガン」が配備されている米海軍横須賀基地(横須賀市)などで十五日、日米合同の原子力防災訓練が実施された。十一回目を迎えた今回も従来通り、基地外に放射能は漏れないとの米側の主張に沿う内容。万が一の備えとして十分か疑問の声が上がった。

 市と米海軍、県、原子力規制庁など十一の機関から約百七十人が参加。微量の放射性物質を含む冷却水約三百リットルが空母から漏れたとの想定で、市が米側から電話で一報を受け、消防庁舎に災害対策本部を設置。空母近くで海水や海底土を採取し、人体や環境に影響はないと確認できたとして一時間四十分後に終了した。

 訓練を見学した基地問題に詳しい呉東正彦弁護士は「今年は基地所属のイージス艦であれだけ人的ミスによる事故が相次いだのに、新しいところがなく残念。メルトダウン(炉心溶融)など最悪の事態を想定し、市民も交えて実施するべきだ」と述べた。上地克明市長は「今回は、(日米の)初動態勢に重きを置いた」と話した。

 市はこの訓練と別に、国の原子力空母の災害対策マニュアルに基づき、一〜三キロ圏内の市民を対象にした屋内退避の訓練を毎年実施している。 (福田真悟)

 

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