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【神奈川】

<2017かながわ 取材ノートから>川崎市長選 圧勝の現職、堅実な市政を

JR武蔵溝ノ口駅前で福田紀彦さんの選挙戦最後の訴えを聞く人々=川崎市高津区で

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 十月二十二日の川崎市長選は現職の福田紀彦さんが、いずれも新人で元市議の吉沢章子さんと、共産推薦で市民団体役員の市古博一さんを破り、再選した。

 今回は福田市政の一期目に対する評価や、子育て支援や高齢者福祉の施策充実が争点となったが、同月二十一日、福田さんの戦い方を象徴するような光景に遭遇した。夕方のJR武蔵溝ノ口駅前(高津区)。肌寒く小雨降る中、福田さんの集会で主婦や地域活動をする年配の男性らが次々にマイクを握り「福田さんありがとう」「二期目もよろしく」などと熱っぽく語った。

 政党の推薦を受けない福田さんは「市民市長」を掲げ、選挙戦を締めくくるこの日も市民との一体感を強調。期間中も商店街でミニ集会を開くなど、市民目線にこだわりを見せた。実際は、市内の各種団体幹部らでつくる政治団体や、自民、公明、民進の各党地方組織が支援を表明。陣営の態勢は盤石だった。

 吉沢さんは、福田さんを支援する自民党市支部連合会の決定に異議を唱え、市議を辞めて出馬。善戦したが及ばなかった。市古さんを擁立した「川崎民主市政をつくる会」の竹内康雄事務局長も「衆院選との相乗効果を期待したが、野党共闘を作り出せなかった」と話す。

 今回の市長選は、衆院選と同日ということもあり投票率が前回より約20ポイントアップ。福田さんが獲得した票は有効投票数の六割以上を占めたが、有権者の視線が衆院選に向きがちな中で行われ、三候補の訴えは有権者に届きにくかったと思われる。取材中、駅にいた若者が「期日前投票に行って衆院選は入れたけど、市長選は誰が誰だか分からないから適当に入れた」と仲間に話し掛けているのを耳にした。

 自民は前回、福田さんではなく別の候補を推薦。吉沢さんが「なぜ今回は、前回戦った相手に投票するのかという自民党支持者の声も聞いた。(自分が獲得したのは)浮動票だけではないはず」と言うように分かりにくさもあったと思う。

 争点の一つだった財政運営について市は先月、一般財源の収入が支出を上回る時期を二〇二四年度と修正した。収支均衡は今年二月に立てた見通しより三年、先送りするという。子育て世帯が市内に流入し、待機児童解消の施策などは待ったなしといえる。厳しい財政事情の中、福田市長には着実な市政運営が求められている。 (小形佳奈)

     ◇

 さまざまな出来事があった二〇一七年も残りあと少し。この一年、県内の記者が事件や事故、選挙などの現場で取材し、感じたことをつづります。

 

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