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【神奈川】

映像作りで自己表現 横浜吉田中の海外出身生徒ら 横浜国大がサポート

大学生らのサポートを受けて映像を制作する中学生(左)=横浜市中区で

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 自分のことを映像で表現しよう−。来日してから日が浅く日本語に不安のある生徒に、映像作りを通じて自己表現力をアップしてもらう「DSTプロジェクト」が横浜市立横浜吉田中学校(中区)で実施された。担当教諭は「胸に秘めた『言いたいこと』を引き出す効果があった」と手応えを感じている。 (梅野光春)

 同中には、本人や親が外国出身などの理由で、日本語指導が必要な生徒が全体の四分の一に当たる約百人いる。普段は日本語になじむまで別の教室で教えるといった工夫をしている。

 プロジェクトは、そうした生徒に自信をつけてもらうのが狙い。DSTは「Digital Story Telling(デジタル・ストーリー・テリング)」の頭文字で、好きな食べ物や思い出の写真をタブレット端末などに取り込み、写真に合うエピソードを録音して編集する作業を指す。

 プロジェクトには二年生十人が参加し、横浜国立大の半沢千絵美准教授(41)=日本語教育=や学生ら計約二十人がサポート。中国語や英語が母国語の留学生も九人おり、生徒との会話をフォローし、先月から今月にかけて週末に三回集まって完成させた。

 制作した映像は二分程度。大学生と一緒にストーリーを考え、それに合った写真を探したり、新たに撮影したりした。写真はタブレット端末に取り込み、生徒がナレーションを吹き込んだ。一月に中国福建省から来日した林盛(リンセイ)さん(14)は「最近あまり連絡を取れないから」と、中国に残る友人の写真で映像を作った。「日本語は苦手。でも大学生と交流でき、楽しかった」と笑顔だった。

保護者らの前で上映された生徒の作品

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 こうした反応に半沢准教授は「DSTを通じて生徒が自分を見直し、サポート役の学生と話し合う過程が大事だった」と好感触を得た様子。作業最終日の九日、保護者を呼んで上映すると「こんなに日本語を話せるなんて」とナレーションの出来に感激する母親もいた。「家族に生徒の頑張りが伝わって良かった」と半沢准教授は振り返る。

 同中の熊田路代教諭(46)は「日本語が苦手な生徒は、言葉が通じる範囲のコミュニティーに閉じこもりがち。大学生と仲良くなる機会ができた上、言葉で表せない部分を映像で表現できた。今後も多文化共生を深める取り組みを続けたい」と話した。

 

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