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【神奈川】

戦前の鳥居型しめ飾り復活 横浜の神社で「伝統後世に」

完成したしめ飾りの横に立つ荒川さん=横浜市保土ケ谷区で

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 宮城県丸森町に戦前まであった全国的にも珍しい鳥居型のしめ飾りを、同町出身の荒川美津三(みつぞう)さん(88)=川崎市多摩区=らが二十一日、横浜市保土ケ谷区の星川杉山神社に再現した。来月十三日まで設置される。 (鈴木弘人)

 伝統技術を後世に伝えようと、「民具製作技術保存会」(多摩区)でわら細工の指導をしている荒川さんと同会の四人が作業。境内から切り出した竹を束ねた二本の支柱を高さ約二・四メートルのところで橋渡しし、高さ約三メートル、幅約三・四メートルのしめ飾りを組み上げた。中央にわら細工、「松竹梅」がそろって縁起が良くなるよう支柱にはマツとウメの木を取り付けた。

 荒川さんは小学生の頃、よく家族としめ飾りを作った。戦争が始まると徴兵で若者が減り、人手がいる鳥居型のしめ飾りは作られなくなった。戦後、物資不足の時期が続き、そのまま見られなくなったという。

 二十代半ばの頃に川崎に引っ越した荒川さんは、仕事の合間を縫って「生まれ育った地域の伝統を途絶えさせてはいけない」とわら細工を続けた。保存会で技術を伝える活動をする傍ら、一昨年、たまたま読んだ絵本で丸森町のものとよく似たしめ飾りを見つけ、記憶がよみがえった。「生きているうちにもう一度作ろう」と思うようになり、わら細工の講座を開くなどして関わりがあった星川杉山神社に話を持ち掛けた。

 荒川さんは完成したしめ飾りを見上げながら、「戦争で途絶えていた伝統を復活させることができた。来年、再来年も続けていきたい」と話した。

 問い合わせは同神社=電045(332)2655=へ。

 

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