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【神奈川】

生馬麺シルクロード! 空っ風でも冷めない人気 新正軒(群馬・富岡)

店内のメニューを指さし、「1971年から出している」と話す永井正夫さん(左)とえつ子さん夫婦=群馬県富岡市で

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 横浜発祥とされるサンマーメンを、四十年以上前から出す店が群馬県にある。群馬といえば、生糸生産で輸出港・横浜と密接に結び付いていた。ひょっとしてその縁があるのか。早速、電車に乗り込んだ。

 二〇一四年に世界文化遺産に登録された富岡製糸場(富岡市)から徒歩十分ほど。一九七一(昭和四十六)年創業の「新正軒」の引き戸を開けた。壁の手書きメニューに「サンマーメン 550」とある。

 注文すると期待通り、表面にプルン、とあんのかかった一品が来た。具は、モヤシと白菜、キャベツ、なると、彩りのピーマン細切りが少々。スープはかつお節と煮干しの和風だしがベースで、あっさり。

 「店を始めた時から出してる。寒い時期は、『とろみがあって冷めない』ってことで注文があるね」と店主の永井正夫さん(68)。富岡市の西隣、下仁田町のネギ農家の出身。海にあこがれた二十代初め、藤沢市と平塚市の中華料理店で二年修業し、今の店を開いた。

 サンマーメンは「修業中に見て盗んだメニューだけど、前から地元の店で出していた」と永井さん。富岡製糸場などで生産された生糸は横浜港から輸出された。やはりその取引で訪れた人たちがサンマーメンを広めたのかと想像が膨らむ。しかし、妻えつ子さん(69)は「昔はなかった」と主張、確証は得られない。同県でサンマーメンを出す他店にも取材したものの、生糸取引につながる手掛かりはなかった。

新正軒のサンマーメン。とろみがしっかりついている

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 とはいえファンは少なくないようだ。「今井食堂」(同県安中市)の今井克彦さん(58)は「横浜で修業した頃、多摩川を越えるとサンマーメンはない、なんて聞いたけど…。冬場は、週二、三回食べに来る客もいる」と教えてくれた。

 海からの風を浴びても冷めないよう、あんかけにしたともいわれるサンマーメン。空っ風の本場でも、その特長が生きていた。

 

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