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【神奈川】

<かながわ麺紀行>(5)元祖「溶き卵系」 店ごとに違う味楽しんで

1970年ごろ撮影とされる京町店の外観。「ニュータンタン」を売りにしつつ洋食も提供していた(亀井正力さん提供)

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◆元祖ニュータンタンメン本舗(川崎・川崎区)

 ぷりぷりした食感の中太めんを使い、スープは鶏がらと豚骨がベース。食材は溶き卵、ひき肉、ニンニク、トウガラシ…。川崎市川崎区京町に本店を置くラーメンチェーン「元祖ニュータンタンメン本舗」の一杯だ。

 口の中で、卵のまろやかさとトウガラシの辛さなどが溶け合う。川崎の代表的なラーメンとして、これを思い浮かべる人は多いと思われる。

 店の運営会社によると、一九六七(昭和四十二)年、創業者で、別名の中華料理店でシェフをしていた故・五十嵐源吉さんが考案し、発表した。

 はっきりした記録はないが、提供する店が少なかった担々麺を五十嵐さんがアレンジした。工場労働者が多い土地柄を考慮。塩分補給できる強めの塩味に、スタミナを付けるニンニクという組み合わせが生まれたという。

 「当初は『何だこれは』といった反応で、まったく売れなかったそうです」。店舗統括本部長の亀井正力さん(38)は苦笑いする。しかし五十嵐さんは味に自信があり、他のメニューの提供をやめてニュータンタンメンに絞った。口コミなどで評判が広がり、店の数は増えていった。

 チェーン店だが、店によって微妙に味が違うのも特徴。中華料理店を発祥とする名残で、具材をつくるのに中華鍋を使うため、料理人の腕の違いが出るという。これをアピールし、店ごとに違う味を楽しんでほしいと呼び掛ける。現在の運営会社社長は五十嵐さんの孫に当たり、LINE(ライン)やインスタグラムなどによる情報発信も行う。

溶き卵が特徴的なニュータンタンメン=川崎市川崎区で

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 ニュータンタンメンのような、溶き卵が浮かぶラーメンは近年、提供店が増えている。「溶き卵系」の店の情報を集めたホームページを運営する川崎野郎さん(51)=川崎市在住、ハンドルネーム=によると、二〇一五年の時点で、元祖ニュータンタンメン本舗のほかに「溶き卵系」は全国に百五十店以上あるという。大半が川崎、横浜の両市とその周辺に集中しているそうで「この地域特有のラーメン」との見方を語る。

 千葉県勝浦市には「勝浦タンタンメン」があり、ニュータンタンメンにも「地元の味として盛り上がってほしい」と川崎野郎さん。

 昨年十二月の平日午後、京町店は、高校生グループや家族連れなどでにぎわいを見せていた。客足は深夜まで途切れなかった。

<メモ> 元祖ニュータンタンメン本舗 現在は県内に26店あり、埼玉、長野、宮城など5都県で計35店を数える。京町店は川崎市川崎区京町1の18の7にあり、営業時間は平日・祝祭日とも午前11時半〜午前0時。電044(366)2180。

 

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