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【神奈川】

<元気人@かながわ>こだわりの洋菓子 相模原土産に人気 清水康生さん(57歳)

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 外はサクっと、中はしっとりとしていて、きな粉の風味が口いっぱいに広がる。「食感は柔らかすぎないようにしました」と解説を添える。経営する洋菓子店の看板商品「津久井きなこのダックワーズ」が昨年秋、相模原市民による土産品の人気投票で一位に選出された。「市民が選んでくれたのが本当にうれしい」と喜ぶ。

 のびのびと三人の子育てをしたいと、相模原市に自宅を構えて二十三年。愛着も抱いた街で何か名物を作り、知名度アップに貢献できないか考えてきた。

■品評会で金賞

 六年前、旧津久井郡の在来大豆が原料のきな粉に出合った。それまで使っていた、上品さで知られる京きな粉に比べ「力強くて甘みがある。京きな粉が公家なら津久井は野武士」と魅力を感じた。生地とバタークリームに、たっぷりきな粉を練り込んで焼き菓子に仕上げた。評判は口コミで広がり、二〇一三年には国際的な食品品評会「モンドセレクション」の金賞に選ばれた。

 大学時代から、親類が温泉街で営むホテルの調理場でアルバイトするなど料理に関わってきた。農学部で作物の栽培を学び、「原材料にこだわった料理人になろう」と卒業後はフランス料理のシェフを目指した。

 東京都内で修業した後、二十五歳で葉山町のフランス料理店「ラ・マーレ・ド・チャヤ」へ転籍。当時の総料理長で、後にレストラン・カフェ「KIHACHI(キハチ)」を創業する熊谷喜八さんと出会い、「旬を感じながら地のものを使う面白さ」を教わった。熊谷さんに誘われKIHACHI運営会社の製菓長も務めるようになり、「伊勢丹相模原店」(同市南区)への出店を支援した。

 「もともと朝型人間。仕事が深夜に及びにくい菓子職人が性に合う」と感じ、四十歳でパティシエとして独立。市役所近くに洋菓子店「セ・ラ・セゾン!」を構えた。「食文化を育むには地元にある旬のものを使うのが最良」との信念は変わらない。市内産のブルーベリーや卵、店の敷地で育てるスモモなど十種類の果物を率先して材料にする。

■故郷に初の支店

 二年前に故郷の和歌山県串本町に初の支店を出した。夢は全国展開と、情熱は尽きない。「相模原を本拠地としたこんな店があるんだと、もっと発信したい」 (井上靖史)

◆私の履歴書

1960年 和歌山県串本町で生まれる

 83年 近畿大農学部卒業後、東京都港区の会員制社交クラブ「東京アメリカンクラブ」で修業

 95年 横浜市青葉区から相模原市中央区へ転居

2000年 独立し、店名はフランス語で「今が旬」を意味する「セ・ラ・セゾン!」に。06年に現在の同区矢部へ移転

 

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