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【神奈川】

常連客らに惜しまれ 箱根ホテル小涌園、営業終える

整列して宿泊客(左)を送り出す従業員=箱根町で

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 箱根ホテル小涌園(箱根町二ノ平)が営業を終えた十日、海外を含む多くの常連客らが最後のチェックアウトをした。「箱根と言えば小涌園」と全国に知られた名物ホテル。ホテルは部屋番号を記したプラスチック製のタグを記念に贈呈し、従業員は深々と頭を下げて宿泊客を見送った。

 ソウルから家族で二泊したペ恩淑(ペウンスク)さん(50)は三回目の利用。「閉館を知り、記念に宿泊した。みんな親切で次男(8つ)は『帰りたくない』と喜び、家族全員で共有できる思い出をつくれた」と話した。

 秋田県の高校を卒業後、小涌園に就職し、ホテルの隣にあった系列旅館の調理場で三年半働いた福田サツ子さん(65)=埼玉県朝霞市=は「箱根の人は優しく、何でも教えてくれ働きやすかった。退職後もよく泊まりに来たので寂しい」と振り返った。

 まだ中国と国交がなかった一九六一年に著名な小説家巴金(ばきん)さんら中国の作家代表団を迎えた縁で、後に李鵬元総理のほか、周恩来元総理の妻で民衆に慕われた〓穎超(とうえいちょう)さんら要人も宿泊。中国側と一緒に毎秋、中秋節を祝うなど日中友好の舞台にもなった。中国との関係は運営する藤田観光(東京都文京区)が引き継ぎ、グループの施設で何らかの行事を続けていくという。

 箱根町出身の小涌園総務支配人東山エミさん(50)は「寂しい思いをさせるが、跡地利用も含め今後の箱根小涌園に期待してほしい」と語った。 (西岡聖雄)

※ 〓は、登におおざと。

 

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