東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 記事一覧 > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

戦死の特攻隊員のめいが語る平和の尊さ 語り部活動、児童に出前授業

児童の前で特攻について語る高徳さん=横浜市中区で

写真

 太平洋戦争中に戦死した特攻隊員、高橋峯好(みねよし)さんのめいで、戦争の語り部活動に取り組む高徳えりこさん(50)=三浦市=が十一日、高橋さんの母校の横浜市立本町小学校(中区)で平和の尊さを児童に伝える出前授業を開いた。戦闘機で敵艦に突っ込む無謀な作戦に伯父ら少年兵が駆り出された経緯を説き、「戦争を繰り返してはならない」と訴えた。 (福田真悟)

 高橋さんは、同校の前身の本町尋常高等小学校に一九三〇年代に在籍。終戦直前の四五年五月に鹿児島を飛び立ち、十七歳で戦死した。高徳さんは「供養のためにも伯父の母校で授業をしたい」と記した手紙を昨年十二月に本町小へ送り、出前授業が実現した。

 この日は、高橋さんの同期兵の生涯をつづった「ユキは十七歳 特攻で死んだ」(毛利恒之著、ポプラ文庫)を題材に作ったスライドを使用。無差別空襲や沖縄戦の被害、特攻の背景となる戦況の悪化などについて、自作イラストや映像を見せながら説明した。

 特攻に向かう直前にもかかわらず、穏やかな表情を浮かべる伯父らの写真も紹介。高徳さんは「平和であればかなえたい夢があった。戦時中は言いたいことを言えない時代だった」と強調し、「戦没者の犠牲があって今がある。平和のために何ができるか考えてほしい」と語りかけた。

 授業は、六年生約百二十人が聞き入った。栗山爽太君(12)は「当たり前だと思っていた平和がありがたく感じられた」と述べ、堀部陸君(12)は「戦争で亡くなった人への関心が強まった」と話した。

 願いがかなった高徳さんは「感無量。みんなが平和を考えるきっかけになれば」と笑顔。小澤好一校長(59)も「卒業生の話なので、子どもたちの心に迫るものがあったのでは」と喜んだ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報