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【神奈川】

川崎市中原の小薬さん 東高根遺跡の紹介本 集落跡に焦点、土器の解説など

「県史跡・東高根遺跡−公園に眠る古代遺跡−」を紹介する小薬一夫さん=中原区で

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 川崎市宮前区の県立東高根森林公園の地下に眠る、弥生時代から古墳時代にかけての集落跡にスポットを当てた本「県史跡・東高根遺跡−公園に眠る古代遺跡−」を、NPO法人かわさき市民アカデミーが発刊した。著者で元東京都埋蔵文化財センター学芸員の小薬一夫(こぐすりかずお)さん(61)=中原区=は「2000年前の暮らしに、この本で思いをはせてほしい」とPRする。 (山本哲正)

 東高根遺跡は一九六九、七〇年に試掘調査され、現在の「古代芝生広場」の地下一メートルほどに昔の人々の生活の跡が埋まっていることが判明。七一年に県史跡に指定された。

 発刊された本はA5判百七ページ。調査で住居跡が確認されたことや、その際に出土した土器の拓本(紙を当てて模様を写し取ったもの)などを紹介、解説している。全国や市内の発掘調査例を基に探った当時の集落の様子にも触れている。公園の周辺の遺跡ガイドも掲載している。

 小薬さんは遺跡を広く知ってもらおうと本を書くことにした。「発掘調査の技術も熟してきている」と話し、本では「新たな情報を得る道は本格的な発掘調査の実施以外にない」とも訴えている。

 小薬さんは大学卒業後、東京都埋蔵文化財センターで主に多摩ニュータウン遺跡群の発掘調査に従事。縄文時代に関する論文を発表してきた。

 中学生時代に調査を見学し、自身の原点ともいえる東高根遺跡に焦点を当てたいとの思いから二〇一一年、東高根森林公園の副所長に就任し、六年間務めた。この間、訪れた人に関心を持ってもらおうと、東高根で出土した土器片を並べた遺跡展示コーナーをつくるなどしてきた。

 市民らを対象に各分野の講座を開くかわさき市民アカデミーにも講師として参加している。アカデミーは「川崎学双書シリーズ」を発刊しており、その三巻目として小薬さんに執筆の要請があった。

 小薬さんは考古学の魅力を「ほとんどのことが分かっていないこと。だから新しい発見がある。身近なところに自分たちの歴史が埋まっていることも面白い」と語る。

 東高根森林公園の住所は宮前区神木本町二の一〇の一。「県史跡・東高根遺跡−公園に眠る古代遺跡−」は税別七百円。問い合わせは、かわさき市民アカデミー事務局=電044(733)5590=へ。

 

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