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【神奈川】

最後のどんど焼き 宿河原小学校の校庭 わら入手困難 灰や煙、近隣に配慮

どんど焼きや、それを終える理由を説明する大岡祥浩さん(右)

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 川崎市多摩区の市立宿河原小学校の校庭で19日、正月飾りなどを焼き、無病息災を願う伝統行事の「どんど焼き」があった。材料のわらの入手が難しく、灰や煙で近隣に迷惑もかかるとして今回を最後に中止するという。かつて農村地帯だった区内では、ほかにもどんど焼きを中止した学校があり、地域から惜しむ声も出ている。 (山本哲正)

 この日は、校庭に高さ十メートル近いやぐらが竹で組まれ、児童らが家から持ってきたしめ飾りなどが詰め込まれた。やぐらの周りには子どもたちが書き初めで練習した紙が貼られ、その下にわらが積まれた。火を付けると勢いよく燃え上がり、煙が空に。見守った全校児童約七百八十人や、近くの幼稚園や保育園の園児たちは「ファイヤー!」「燃えろ!」などと歓声を上げ、竹がパーンとはじける音が響くたびに喜んだ。

 岩田昭彦校長が準備の様子などを動画で記録。資料として市総合教育センター(高津区)で保管するほか、同校で来年度以降の三年生に見せるという。

 宿河原小によると、どんど焼きは三年生の社会科学習「昔の暮らし」に取り入れる形で一九八九年から、地域の人たちと続けてきた。伝統を引き継ぎ、郷土愛を育む学校行事。燃やす物からビニール類を外して環境に配慮し、近隣約五百軒に事前に知らせるなどして行ってきたという。岩田校長は「寂しく残念だが、しかたない。皆さん、しっかり心に刻んで」と児童に呼び掛けていた。

最後となったどんど焼き=いずれも多摩区で

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 市消防局によると、どんど焼きの届け出件数はここ数年、市内では年間五十〜六十二件と横ばい傾向。多摩区は二〇一三年に十二件だったが今年は七件で、やや減る傾向もみられるという。

 宿河原小で、どんど焼きの準備をしたり、行事の意味を子どもたちに伝えたりしてきた民生委員大岡祥浩(よしひろ)さん(72)は「地域で稲作が減り、わらを探すのも大変。地域の伝統だったので寂しいが、苦情もある。しょうがない」と話す。

 同区の市立下布田小でも一九九三年からどんど焼きを続けてきたが、わらの入手が困難で二〇一六年を最後に中止した。同校によると、近隣住民から「今年はどんど焼きをしないの?」と、惜しむ電話がまだ寄せられるという。

 

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