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【神奈川】

<元気人@かながわ> 山下公園などで路上ライブを行う・MARCHINさん

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 黒いサングラスとニット帽がトレードマーク。年間三百日以上、山下公園や桜木町駅前など横浜市内を中心に路上ライブを行う。ラッパーのような風貌なのに、レパートリーは中森明菜さんや「アメリカ橋」の山川豊さん、フランク・シナトラなど古い歌謡曲や演歌が中心だ。「人生に寄り添う曲が好き」とビブラートを効かせた甘い歌声に曲を乗せる。

■震災が転機

 米国のR&Bやロックが街中で流れる同市中区の本牧地区出身。浪曲師だった曽祖母の前座として三歳の時に初めてステージで歌うなど音楽は常に身近だった。

 歌手への憧れはあったものの、高校卒業後は市内の運送会社に入社。三年で退社し、しばらく「フラフラしていた」。転機は東日本大震災。「生きたくても生きられなかった人たちがいる。チャレンジしなくては」と歌の世界に飛び込んだ。

 業界につてや人脈はなく、路上ライブを繰り返す日々。三年ほどたったある日、スカウトから声がかかり、東京都内の音楽事務所に所属した。しかし、デビュー前に売り出し方を巡って決裂。「地元に根を張りやり直そう」と横浜のストリートに戻ってきた。

■出会いに力

 「本当は誰も聞いていないんじゃないかと心が折れそうな時間がほとんど」と打ち明ける。一日に十時間ほど歌っても、立ち止まる人がいない日もある。収入のほとんどは客からの投げ銭。一万円稼ぐまでは帰らないと決めているが、集まらないことが多い。

 それでも力をくれるのは、路上で出会う人たちだ。「生きたいように生きていいんだと勇気づけられた」と声を掛けてきた、大学を辞めたばかりの男性。「お兄ちゃんの歌は一番だよ」とおもちゃの金メダルをくれた女の子。ホームレスの男性が「良かったよ」と千円を残していったことも。「ストリートでは直接誰かの心に届けられる。そう思える限り、歌い続ける」

■横浜といえば

 昨年四月には、横浜を舞台にした男女の色恋がテーマのオリジナル曲「ヨコハマメモリー」のCDが完成。小田原市在住のアマチュア作曲家odaken(オダケン)さんから声を掛けられ、共同で自主制作した。「横浜といえばMARCHINと言ってもらえるようになりたい。地元テレビ局で音楽番組を持つのが目標」と夢を追う。 (加藤豊大)

◆私の履歴書

1985年2月 横浜市中区本牧地区で生まれる(本名非公表)

2003年3月 県立磯子高校卒業

     4月 市内の運送会社に就職

  06年   同社を退社

 12年春  歌手を志し路上ライブを始める

  17年4月 自主制作CD「ヨコハマメモリー」が完成

 

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