東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 記事一覧 > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

木密地域に「防災空地」 延焼防ぎ 避難場所にも活用

かまどになるベンチが整備された防災空地。手前の道路は一方通行で自動車1台が通れるほどの道幅だった=川崎区で

写真

 木造住宅が密集する川崎市川崎区小田三で、災害時には火災の延焼を防ぎ、住民の避難場所にもなる「防災空地(くうち)」が完成した。市内では初めての取り組み。老朽化した無人のアパートが取り壊された跡地を市が借り上げて、かまどにもなるベンチと防災用具を整備した。地域住民は「火災時には一帯が一気に燃え広がる不安があった。有効な利用方法を考えていく」と話している。 (大平樹)

 現場はJR小田栄駅から西へ約百メートルの住宅街。市防災まちづくり推進課によると、立っていた木造二階建てのアパートは最低でも築五十年たち、十年以上は住人がいない状態だった。市は所有者に対して、取り壊し費用を補助して固定資産税や都市計画税を免除する代わりに、百十四平方メートルの土地を十年間、無償で借り上げる契約を結んだ。

 空き家は住人がいないために初期消火ができず、更地より延焼を広げるおそれがある。一方で、空き家が全国的に増えている背景の一つには、更地よりも固定資産税が安いことがある。

 今回の取り組みでは、無償借り上げと防災に活用することを条件に、市が年間約十万円の税金を免除した。所有者にとっては、空き家を管理する手間を省くことができた。

 「この辺りは道路の道幅が狭く、一方通行も多い。消防車がすぐに入ってこられないのではないか」。小田三丁目町内会長の陶山義雄さん(80)は、地域が抱える防災面の不安を語る。小田栄駅が二〇一六年に開業して住民は増えたが、町内会への加入率は下がり、約七百二十人いる会員の高齢化も進んでいるという。

 防災空地の周辺は、一戸建てや古いアパートなどが混在する。十日に完成イベントが開かれ、かまどベンチを使った炊き出しなどが行われる予定だ。運営は町内会が担うことから、陶山さんは「完成イベントで使ってみてから、有効な活用方法を皆で顔を合わせて考えたい」と話した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報