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【神奈川】

18年度・川崎市予算案 過去最大7366億円

厳しい表情で予算案を発表する福田紀彦市長=市役所で

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◆一般会計 待機児対策12%増

 川崎市は六日、二〇一八年度の当初予算案を公表した。一般会計が前年度比3・9%増の七千三百六十六億円で、六年連続で過去最大となった。人口増などにより市税収入が五年連続で増えたものの、市民サービスに必要な経費も増加し、教育・子育て支援の関連事業も手厚くした結果、当初予算ベースで四年連続の赤字に陥った。不足分を補う減債基金からの新規借入額は過去最大の百九十六億円に上る。 (大平樹)

 歳入では、最も多くを占める市税が、人口増や企業業績の好転、家屋の新増築などで13・3%増の三千四百七十九億円を見込み、六年連続で過去最大。一方、普通交付税の不交付団体となることが見込まれることから、地方交付税は28・3%減の四億円にとどまる。

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 歳出では、待機児童対策や障害者福祉サービスの利用者増などにより、福祉にかかる「扶助費」が7・2%増の千八百八十六億円。扶助費を含む義務的経費は、過去最大の四千百五十一億円に膨らんだ。

 待機児童対策は、総額で前年度比約12%増の六百十七億円に上った。施設面では、認可保育所などの受け入れ枠を千八百九十六人分増やすほか、一九年度に向けて定員二千十一人分の施設整備を進める。市独自の認定保育園に対しては認可保育所への移行支援を強化する。ソフト面では、保育士のキャリアアップ研修などの処遇改善や、就職相談会や市外の学生誘致などで保育士を確保する。

 建設事業は継続事業が目立つ。幸区の研究開発拠点「新川崎・創造のもり」の産学交流施設に二十九億円、羽田連絡道路の整備には四十九億円。五十一億円を計上した京急大師線の連続立体交差化は、交通量の多い産業道路踏切が一八年度中に解消される見通しだ。

◆厳しい財政運営続く

<解説> 「財政状況は厳しい。現実と向き合わないといけない」。福田紀彦市長は六日、市役所で記者会見し、市の新年度当初予算案について、口元を引き締め、こう語った。

 新規事業を華々しく公表することが多い予算会見の場では珍しい光景といえる。背景には、待機児童対策などで不足する財源を、減債基金からの借り入れに頼らざるを得ない苦しい台所事情がある。

 待機児童対策の総額は前年度比で約一割増。施設を増やす費用に加え、受け入れ枠拡大によるランニングコストも増えている。福田市長は待機児童対策に力を入れており「人口が予想より増え、入園希望者も増えているので、しっかり対応する」と強調。財政的に大丈夫なのか問われても「裁量の余地がない。保育所整備をやめればいいのかもしれないが、そうはならない。致し方ない」と引かなかった。新年度は、市立学校トイレの改修を従来の約十倍のペースに加速するなど、昨年の市長選で公約に掲げた他の施策にも力を入れる。

 予算案では一般会計の総額や扶助費、待機児童対策の総額など多くの費目が過去最大となった。このペースでの増額がいつまで続くか問われた福田市長は「ある意味必然だ。少なくとも二〇三〇年までは人口が増え続ける」と話した。

 予算案は当初ベースで四年連続の赤字。収入不足は二四年度まで続き、解消するまでに借入総額は九百十八億円まで膨らむ見通しだ。福田市長はこの日の会見で、減債基金からの借り入れ完済の時期を示さなかったが、支出が増える中、厳しい財政運営が続くことだけは間違いなさそうだ。 (大平樹)

 

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