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【神奈川】

南極から きょうライブ授業 川崎市立菅小教諭の山口直子さん

南極の氷河を背景に山口直子さん(国立極地研究所提供)

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 川崎市立菅小学校(多摩区)の山口直子教諭(44)=麻生区=が、第五十九次南極地域観測隊に同行して現地で活動している。八日は南極から衛星回線を使って同校の三〜六年生に「授業」を行い、南極の様子とともに「あきらめず何かを続けることで、いろいろな可能性を持てることを伝えたい」という。国立極地研究所(東京都立川市)を通じて、メールで山口さんに話をうかがった。 (山本哲正)

 山口さんは市立金程小(麻生区)の教員だった二〇一五年、南極越冬隊員の講演を聴き、南極観測船が氷を割って進む映像を見た。その空が美しく「こんなにきれいな青があるのか。自分の目で見てみたいと思いました」。

 子どものころに映画「南極物語」で暴風雪を見て南極に怖いイメージを抱いていたが変わった。教員対象の南極派遣プログラム(極地研など共催)に応募。書類審査や面接を経て選抜された。観測隊とともに昨年十一月に日本を出発し、十二月二十日に昭和基地に入った。白い大地のような海やアザラシ、ペンギンを見て「本当に来ちゃった」と実感したそうだ。

 派遣教員は南極で学んだことを子どもたちに情報発信していくことを期待されており、山口さんは現地で観測部門の隊員に話を聞くなどしている。そのほか、観測棟の建築などの作業を手伝うこともあり「電動ドリルで岩を砕くなど、大変」。

 日没前に大陸が夕日に染まる様子はきれいという。また、風や波の音、氷がぶつかりきしむ音が聞こえ、その静かさに感心し「南極は静かな世界で、時を刻んでいく場所。これからもそうあってほしい」。

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 東京都世田谷区出身。フリーカメラマンとして米国でアメリカンフットボールなどを取材した。その縁で〇六年、川崎市内の小中学校で、アメリカンフットボールの危険度を減らした「フラッグフットボール」のコーチを務めた。それが先生になったきっかけだ。

 当初「フラッグフットボールは面白くない」と言っていた子どもたちを根気よく指導。笑顔や歓声が増えたころには「子どもと関わるのもいいな」と思ったという。教員免許を取得して一二年、市立金程小の教員になった。

 南極では仕事を通じて知り合った外国人の研究者や自衛隊員らと食事し、話を聞くのも楽しみの一つ。「最果ての地、南極で頑張っている人たちは、それぞれの道のプロフェッショナル。初めはできなかったことを、コツコツと積み上げてものにしてきた人たち。そんな姿も子どもたちに伝えたい」

 観測隊に同行している教員は二人で、今月中に昭和基地を離れ、三月下旬に帰国する予定。

 山口さんは衛星回線を使った一般向けの「授業」も行う。十日午後二時から、百合丘小学校(麻生区百合丘二の一の二)の体育館で、極地研の地圏研究グループ本吉洋一教授(地質学)が講演、続いて山口さんが南極の様子や隊員らの活躍を話す。麻生区PTA協議会と市教育委員会が主催。

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 当日は小中学生はじめ、誰でも参加できる。小学生と未就学児は保護者同伴。事前申し込み不要で、定員三百人。参加無料。問い合わせは、麻生市民館=電044(951)1300=へ。

 

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