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【神奈川】

過労事故死で和解 原告母を支えた市民ら 署名活動や報告会が力に

和解を受けて開かれた報告会=川崎区で

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 正社員として働き始めたばかりの青年が帰宅途中に交通死亡事故を起こしたのは過重労働が原因と認め、勤務先の会社に損害賠償や再発防止策などを求める和解が八日、横浜地裁川崎支部で成立した。愛する息子を突然失った悲しみにくれる母親を支えたのは、過労死の家族会や労働問題に取り組むNPO法人、市民らでつくる「支援する会」だった。 (小形佳奈)

 原告の渡辺淳子さん(61)=東京都八王子市=は四年前、息子の航太さん=当時(24)=を川崎市麻生区内で起きたバイク事故で亡くした。

 川崎区内で同日開かれた報告会には約八十人の支援者らが集まった。渡辺さんは感謝を表し「人間の限界を試すような働き方で生産性を上げていくという考え方は間違っている」と、過労死のない社会への願いを涙ながらに訴えた。

 支援する会は、二〇一五年に結成され、東京や神奈川などで活動する十団体と、約百八十人の市民らで構成される。公正な判決を求めて全国から寄せられた一万五千筆を超す署名を川崎支部あてに提出。期日ごとに報告会を開くなどして裁判を広く伝える活動をしてきた。

 和解の決定を受け、竹内たみ子事務局長=川崎区=は「素晴らしい結果を迎えられたのは、原告の頑張りに支援する会が励まされ、弁護団と原告と会が三者一体となって進めてきたことが大きな力になった」と喜んだ。

 働くもののいのちと健康を守る神奈川センター事務局の菊谷節夫さんは「航太くんは闘ったお母さんを誇りに思っていると思う。私も子どもを失って四十年たつ今でも毎日思い出すが、長生きして頑張らなきゃという励みにもなっている」と渡辺さんの健闘をたたえ、励ました。

 

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