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【神奈川】

夜間中学新設を検討 県教委アンケ「潜在的な必要性確認」

外国出身者や年配の人たちが通う蒔田中の夜間学級=横浜市南区で

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 義務教育の対象年齢が過ぎた人を受け入れる「夜間中学」の新設が県内で検討されている。今は横浜市と川崎市に一つずつあり、日本語が苦手な外国出身者や、学び直しを希望する高齢者らを受け入れている。夜間中学に関するアンケートを実施した県教育委員会は「これまで感じていた潜在的な必要性を確認できた」とし新年度、設置場所などの協議を具体化させる。 (梅野光春)

 夜間中学は戦後の混乱期に、仕事などで昼間に通えない生徒を対象に設けられた。県内では横浜市立蒔田中学校(南区)と川崎市立西中原中学校(中原区)に夜間学級がある。外国にゆかりのある生徒が多く、蒔田中は二十九人中二十七人、西中原中は二十八人中二十五人を占める。

 両市教委によると、日本語の習得と同時に中学卒業資格を得て、高校進学を希望する若者が大半。少数ながら「中学校に通えなかったから」と足を運ぶ七十〜八十代の高齢者もいる。

 ただ、両校とも対象は市内在住・在勤の人に限られるため、県教委は昨年末から横浜、川崎両市を除く県内三十一市町村で夜間中学に関心を持っている人を対象にアンケートを実施。百六十人の回答者の内訳は、相模原市(五十四人)や厚木市(二十一人)など県央地区が多かった。

 アンケートを受けて相模原市教委は「夜間中学の状況を知るため」として今月二十六日、県教委と県内十六市町の教委が任意で集まる夜間中学の設置協議会に加わった。もともとメンバーだった厚木市教委は「自治体をまたいで広域的に通える仕組みもあり得る」とイメージを描く。協議会は新年度に三回開催され、新設する地域や通学範囲を具体的に検討する。

 夜間中学の増設を願ってきた「神奈川・横浜の夜間中学を考える会」代表の三階泰子さん(77)は「県央地区は外国ゆかりの人も多く、必要性は高いと思っていた。希望がある地域に設けるべきだ」と話す。

 課題もある。文部科学省は二〇一五年に「夜間中学では、不登校のまま卒業した生徒が学び直しを希望したら受け入れるように」と通知を出した。しかし「受け入れてまた不登校になると心の傷が深まる」(横浜市教委)と実践は進まない。「夜間中学より、昼間の中学の教育に力を入れてほしい」との市民の声もあるという。

 こうした現状に、三階さんは「昼間の中学でみんな学べるのが理想。でも現実はそういかない。不登校で通えなかった生徒の『救急病院』のような役割も必要だ」と強調した。

 

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