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【神奈川】

被災者の証言 ミュージカルに 10日、鎌倉芸術館

 東日本大震災の被災者の証言を基にしたミュージカル「いのちてんでんこ」が十日、鎌倉市大船六の鎌倉芸術館で上演される。公演では、被災地に海外の観光客を呼び込むために準備した英語字幕を初披露する。主催者は「もう一度、被災地とどうつながるか考える機会にしてほしい」と呼び掛ける。 (北爪三記)

 作品は、岩手県大船渡市の合同会社「みんなのしるし」が制作。市役所に入って間もない青年が、津波被害のため避難所に身を寄せる住民と接する中で、地域のつながりの強さや文化の尊さを知るストーリー。二〇一三年から各地の高校を中心に公演を重ねてきた。

 基となる証言は、同社代表社員で演出家の前川十之朗(じゅうじろう)さん(52)が集めた。震災の一年後、滞在先のドイツから帰国した前川さんは、東京大の協力研究員などに応募して被災地へ。一二年四月から一四年三月まで、同市や同県陸前高田市、宮城県気仙沼市などで、仮設住宅に暮らす人や家族を亡くした人ら約七十人から話を聞いた。

 つらい体験を語るだけでなく、知人を紹介してくれる人もいた。「恩返しをしたい」と派遣業務と並行して、大船渡市を拠点に活動を始めた。被災した人の生の声を伝えていく手段の一つがミュージカルだった。

 今も被災者の話を聞き続ける前川さんは「コミュニティーという言葉の意味が初めて分かった」と話す。地域のつながりを育む装置として祭りや文化があり、そのつながりの強さが人の命を守ったのだという。

 被災地への関心が薄れているのを懸念しつつ、前川さんは言う。「作品を通して地域のすばらしさを知ってもらい、被災地に行きたいと思ってもらえたら」

 公演は、みんなのしるしと、鎌倉市民有志などでつくる「湘南鎌倉防災ドラマ実行委員会」(酒井太郎委員長)が主催し、午後一時と同五時からの二回。チケットは全席自由で前売り四千二百円(二十五歳以下は三千五百円)、当日四千五百円。楽天チケットで扱っている。問い合わせは、みんなのしるし=電0192(47)5123=へ。

 

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