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【神奈川】

オスプレイ 厚木で増す警戒感 市民「常駐への地ならしか」

厚木基地周辺を飛ぶMV22オスプレイ=大和市で

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 部品落下や墜落などのトラブルが相次いでいる米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが米海軍厚木基地(大和市、綾瀬市)を使う機会が増えている。昨年十一月には米原子力空母「ロナルド・レーガン」との間の物資輸送を初めて実施。二月中旬から十日間は、同基地を拠点に県外の訓練にも出向いた。「常駐に向けた地ならしでは」と住民は身構えている。 (井上靖史)

 「また旋回飛行だ」。二月十九日、厚木基地のフェンス横でNPO法人「爆音訴訟調査研究センター」(大和市)事務局長の矢野亮さん(66)がつぶやいた。矢野さんは連日、厚木基地周辺の上空をオスプレイが、ぐるぐると飛ぶ様子を目の当たりにしていた。

 オスプレイは同十三日から四機飛来した。厚木基地に初めて姿を見せた二〇一四年七月以来、「給油等のため」として短期間立ち寄ることはあった。だが今回は初めて、より時間のかかる「機体整備等」が目的。矢野さんは「旋回が整備状況の確認のようなものだとしたら危険すぎる。この市街地で」と憤る。

 四機のオスプレイは、同十五日から王城寺原演習場(宮城県)などであった日米共同訓練に参加した。しかしこのほかに、東富士演習場(静岡県)で訓練していたことも宮城県が確認。厚木基地は、オスプレイが多方面に展開するための軸足のようになっていた。

 厚木基地でオスプレイが活発に動く兆しは四カ月前もあった。昨年十一月、長期航海を終えて横須賀基地(横須賀市)に戻る途中の空母ロナルド・レーガンと、厚木基地間の物資輸送にオスプレイが使われた。

 滞在は六日間。ロナルド・レーガンが積んでいたC2輸送機二機のうち一機が、寄港前に東京・沖ノ鳥島沖で墜落したことを受けた対応とみられるが、C2の配備数より多い三機のオスプレイが活動した。

 厚木基地は、米空母艦載機の陸の拠点を長らく務めてきた。現在は騒音が激しいFA18戦闘攻撃機など米空母艦載機の岩国基地(山口県)への移駐が進む。負担が軽減したように見えるが、空いたスペースを埋めるかのようにオスプレイが飛来、活動は増えている。

 綾瀬市の古塩政由市長は「移駐で騒音が大きく減っても、安全性に対する市民の危機意識も強いオスプレイが常駐するならば、一難去ってまた一難だ」と警戒する。大和市の大木哲市長も「今後の運用を注視していく」と言う。

 基地監視団体リムピース共同代表で相模原市議の金子豊貴男(ときお)さんは「もともと米海軍には、輸送機をオスプレイに切り替えていく方針がある。これまでも(厚木基地を拠点とする)第五空母航空団が他より早く新しい機体に更新してきた実績もある。厚木基地でオスプレイを運用していく地ならし、という見方もできる」とみている。

 

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