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【神奈川】

食べてしゃべって心安らぐ すくらむ21、避難女性らに交流の場提供

自分たちで作った料理を食べながら、おしゃべりを楽しむサロンの参加者=川崎市高津区で

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 川崎市男女共同参画センター(すくらむ21、高津区)が、東日本大震災に伴う原発事故や津波の影響で市内外に避難してきた女性たちが交流する場を設けている。震災から今日で七年。避難者それぞれの置かれた状況は変わってきたが、息の長い支援を続けていきたいという。 (小形佳奈)

 「のらぼう菜おいしい」「農家から直接買ってきたから」「いいね、近くに畑あるんだ」「四月は何の野菜があるかな」

 七日に開かれた七十七回目の「東日本大震災で避難している女性のためのほっとサロン」には六人が参加。一時間半ほどかけて作ったちらしずしと吸い物、のらぼう菜のからしあえなどを食べながら、お国なまりの会話が弾んだ。

 震災直後、市内に避難してきた被災者のために、市は中原区のとどろきアリーナを避難所として開放した。すくらむ21の脇本靖子事務局長(38)によると、保健師らが開いた相談会で、孤独感や今後の生活への不安を打ち明ける女性が多くいたという。

 二〇一一年七月末の避難所閉鎖後も、女性たちを支援しようと、すくらむ21は十二月にサロンを始めた。月に一度のペースで開き、毎回十人前後が参加して食材の買い出し、調理、片付けをする。年に一度開かれる「すくらむ21まつり」で綿あめや手作りの布小物などを販売し、売り上げをサロンの運営費にあてている。

 参加者は「食べて話すのが楽しい」「みんなに会いたくてここに来る」と口をそろえる。悩みや不安も打ち明けられる貴重な場になっている。

 初回から参加する主婦(79)は今年一月、福島県楢葉町の自宅を取り壊した。中原区内のマンションで暮らしており、住民票を移すことも考えているが、故郷とのつながりを断ちたくない思いもあるという。

「すくらむ21まつり」に出店し、売り上げを運営費にあてている(市男女共同参画センター提供)

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 住んでいた宮城県石巻市の借家が津波に流された溝渕ウメ子さん(75)は、川崎市内に住む長女を頼って避難してきた。夫と二人で宮前区内の公務員住宅に住むが、国の支援打ち切りで今年秋の退去が決まった。公務員住宅には庭があって家庭菜園を楽しめたそうで、溝渕さんは「畑しか楽しみがないおとうさん(夫)が心配」と話す。

 すくらむ21は、居場所としてのサロンを必要とする人がいる限り、続ける意向。脇本さんは「女性たちの思いに寄り添い、ニーズをくみとり、首都直下地震が起きた際の減災や女性の人権擁護の仕組み作りにつなげたい」と話す。

 市によると、市内への避難者は今月一日現在、六百三十二人いるという。

 

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