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【神奈川】

開成町 唯一の酒蔵「瀬戸酒造」 38年ぶりに自家醸造再開

改装した店舗で学生と完成を喜ぶ森社長(右)=開成町で

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 幕末の一八六五(慶応元)年に創業した開成町金井島の瀬戸酒造店が、経営難に陥って一九八〇年以来やめていた自家醸造を三十八年ぶりに再開した。同地域は丹沢山系の伏流水に恵まれ戦前は酒造店が林立していたが、唯一残った瀬戸酒造が醸造を中止してから、酒蔵の灯が消えていた。

 醸造再開を望む関係者の尽力で昨年、建設コンサルタント「オリエンタルコンサルタンツ」(東京都渋谷区)が、地域活性化事業として瀬戸酒造を100%子会社化。醸造所を建て替え、杜氏らも雇った。森隆信社長(46)は「敷地内に新たに掘った井戸からいい水が出る。アジサイ酵母の酒を含め、地酒で地域を盛り上げたい」と話す。

 自家醸造するのは代表銘柄「酒田錦」、新商品の「セトイチ」「あしがり郷 月の歌」。月の歌は全国的に珍しいアジサイの花から抽出した酵母を使う。白ワインのような爽やかな酸味で、女性を意識した。アジサイは町の花でもあり、梅雨の時期に開く町最大のイベント「あじさいまつり」を活気づける地酒として期待されている。三銘柄とも六月初旬に発売する。

 再生には、芝浦工業大を中心に建築系の学生でつくる「空き家改修プロジェクト」が協力した。十数人が昨夏から月一〜二回訪れ、外壁塗装、机やいすの制作、照明を設置するなど敷地内の店舗を改装。地域活性化にも取り組み、施工中、フリーマーケットを開くなどして住民と交流した。

 瀬戸酒造は、アジサイ酵母を使った二千本限定の試作品「あしがり郷 零号」(千八百円)を販売している。茅ケ崎市の熊澤酒造の醸造所を借り、杜氏らが仕込んだ。問い合わせは瀬戸酒造=電0465(82)0055=へ。 (西岡聖雄)

 

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