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【神奈川】

2026年 咲くか?花博 旧米軍上瀬谷通信施設 横浜市が誘致へ

旧上瀬谷通信施設のゲート

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 米軍から二〇一五年六月に返還された旧上瀬谷通信施設(横浜市瀬谷区、旭区)に、二六年に国際園芸博覧会(花博)を誘致する動きが出ている。具体的な計画づくりはこれからだが、地元の駅には横断幕がお目見え。市は近く、政府に誘致を働き掛ける構えだ。 (梅野光春)

 「KAMISEYA」「STOP」と書かれた看板があるゲートを、ユニホーム姿の少年が自転車で通り抜ける。同施設跡地には野球のグラウンドが三つあり、地元チームなどが利用している。その脇で練習を見守る保護者の女性に花博について尋ねた。「開かれたら行くけど、まだイメージが湧かない」

 実際、花博の構想が決まるのはこれから。市は「花や緑、農、食などを題材に先端技術を駆使し、明日を予感させる風景を創る」とする基本構想案を先月、公表した。ただ、具体性はいまひとつ。市は「計画は、開催主体の政府を中心に検討する」と説明する。

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 それでも、戦後ずっと接収され、土地利用が制限されていただけに「花博を開発の起爆剤に」という期待が地元で膨らんでいる。旧上瀬谷通信施設まちづくり協議会の川口篤会長は「横浜の奥地みたいなところだからね」と苦笑する。

 川口さんによれば、周辺は道路の拡幅や電気、水道などのインフラ整備が遅れ、買い物先も少ない。「近くにコンビニがなくて『夏休みに孫が来て、アイスクリームをせがまれて困った』なんて話も聞いた」

 市は花博開催に関連する公共事業費を六百億円程度と試算。来場者や通過車両をさばくための道路改良や、下水道の敷設などを考えている。この試算とは別に、バスの新交通システム整備なども検討している。

相鉄線瀬谷駅構内に掲げられた横断幕=いずれも横浜市瀬谷区で

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 宿泊は市臨海部や川崎市、鎌倉市などを想定。これに加えて「地元の民泊もいい」と川口さん。来場者の宿泊を受け入れて交流する案だ。付近には営農者も多く、トウモロコシの朝採りなどを体験してもらえる。「瀬谷の野菜を世界に発信できる。花博を契機に、農業体験付き民泊の名所になるかも」と声が弾む。

 こうした期待を込め、川口さんらは昨年秋、相鉄線瀬谷駅や瀬谷区役所など四カ所に「国際花博を上瀬谷へ」と書いた横断幕を掲げた。横浜市も新年度予算に、国際園芸家協会(オランダ)の会議の視察やホームページでのPR強化に向けた費用を盛り込んだ。「自然環境に配慮した花博を横浜で、と国内外にアピールしたい」と市の担当者。関係省庁への要請は月内にも始まる。

<旧上瀬谷通信施設> 終戦直後の1945年8月、旧日本海軍の倉庫群を米軍が接収。47年にいったん解除されたが、朝鮮戦争勃発後の51年に再接収された。広さ242ヘクタール。米軍は暗号通信などを行う通信隊を設け、周辺945ヘクタールは電波障害防止地域として、建築などが制限された。2004年の日米合同委員会の合意に基づき、15年6月に返還された。

 

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