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【神奈川】

マリノス GK飯倉大樹 常識超える運動量

C大阪−横浜M 後半、同点ゴールを決めるC大阪・柿谷(左)。右は横浜M・中沢。GK飯倉=ヤンマー

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 今季のマリノスの試合で目を引くのは、最終守備ラインが高い位置をとっていることだ。前オーストラリア代表監督だった新任のポステコグルー監督(52)が落とし込んでいる戦術。前線との距離を縮め、相手へのプレスも高い位置からかけてボールを奪取し、素早いパスワークでゴールに迫っていく。

 連動するプレーの精度は試合ごとに高まっているようだが、そうした中でGK飯倉大樹(ひろき)(31)が異次元とも言えるプレーをしている。

 高い守備ラインをとれば通常ならGKとの間に広いスペースができる。そこで、GKはペナルティーエリアに留まっているだけでなく、エリアを出てスペースを埋めて守備をし、DFとのパス交換をして最初の攻撃の組み立てに参加することを要求される。

 動く距離は半端ではない。リーグ戦の4試合、対戦した相手GKが1試合で走った距離はC大阪のキム・ジンヒョンが3・881キロ、柏の中村航輔が3・341キロ、鳥栖の権田修一が4・265キロ、浦和の西川周作が4・478キロだった。

 それに対して飯倉はそれぞれ6・483キロ、7・211キロ、6・706キロ、6・799キロ。常識を超える約7割増のこの距離は、GKであると同時にフィールドプレーヤーとしての役割を課され、それをきちんと果たして機能していることを裏付けている。もともと足元でボールを扱う技術のある飯倉ならではだろう。

 広い守備範囲に目を配ってポジションを移動し、時にはゴールから遠く離れているのを狙われ、超ロングシュートを打たれて慌てるシーンもないではないが(これまでのところ相手チームの試みは成功していない)ともかく目を引く。

 飯倉は181センチ。J1の正GKの平均は188センチで7人が190センチを超えている。大型化する中でリーグで最も小柄なGKは、昨季リーグ戦34試合にフル出場した。相手の動きを注意深く観察し、次に起こることへの瞬時の判断と対応。DF陣との連係で「堅守マリノス」を支える最後の砦(とりで)になっている。

 「自分はGKである前に一人のサッカー選手。難しいけど、いま、自分のサッカースタイルに一番ハマっているときかなと思う」

 新戦術を楽しんでいるかのような飯倉だが、チームは「生みの苦しみ」の中でのスタートになった。リーグは1勝1分け2敗の12位。3月はもう1試合、31日に2勝2分けと好調に滑り出している清水と戦う。上位への足掛かりにするためにもたたいておきたい。(スポーツライター・財徳健治)

 

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