東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 記事一覧 > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

届け、平和のメッセージ 引き揚げ体験の稲田さん 川崎の市民館で絵本と原画展

絵本「ピンク色の雲」を手にする稲田善樹さん=川崎市麻生区で

写真

 戦争体験の「語り部」も務める日本画家、稲田善樹さん(78)=東京都稲城市=が平和をテーマに描いた原画や絵本を紹介する展覧会が六日、川崎市麻生区万福寺の麻生市民館で始まり、訪れた人たちが作品に見入った。 (安田栄治)

 稲田さんは子どものときに終戦を迎え、旧満州(現・中国東北部)から日本に引き揚げる際に悲惨な体験をした。そのつらかった思いは消えず、「絵を描いて平和を訴えよう」と会社に勤めながら絵の勉強に打ち込んだ。退職後はモンゴルなど海外に滞在してスケッチを描いた。

 その後も戦地となったフィリピンや中国などを訪問。国内では広島や長崎も訪れ、戦争で体験した「消せない記憶」を描き、稲城市内の小学校などで戦争の悲惨さを伝えてきた。

 七年前の東日本大震災後では被災者に絵をプレゼントして励まし、被災地の子どもたちからお礼の手紙や絵などを送られたという。

 稲田さんは、麻生区を拠点とする、本のある暮らしを楽しむ「葉っぱの会」のメンバーであることから、展覧会が初めて同区内で開かれた。

 展示されている原画は約百点。稲城市在住の宇留賀(うるが)佳代子さんが広島で被爆体験した母親の平和への願いなどをつづり、稲田さんが絵を描いた絵本「ピンク色の雲」など十冊ほどが紹介されている。

「百のうた 千の想い 甦る平和百人一首」をまとめた大竹桂子さん(右)も来場者を案内している

写真

 また戦後、全国から募集してつくられた「平和百人一首」の入選作品をまとめた「百のうた 千の想い 甦る平和百人一首」(大竹桂子編)から、数十点の歌に稲田さんの絵を添えて展示されている。

 稲田さんは「いま憲法改正と言われているが、世界に誇れる憲法だ。終戦後に日本国憲法が施行され人々は何を感じたのか。歌を詠んでその気持ちを味わってほしい」と話している。

 展示会は十一日まで開催。入館時間は午前十時〜午後五時まで。問い合わせは、葉っぱの会=電080(9086)8155=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報