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【神奈川】

相模原、リニア車両基地の計画地 反対派市民が「森カフェ」造り

リニア車両基地の計画地に市民が造っているカフェ=相模原市緑区で

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 リニア中央新幹線の関東車両基地整備に反対する相模原市民が「現場に来て自然の豊かさを感じてほしい」と、同市緑区鳥屋の計画地に「森カフェ」造りを進めている。現地では、事業主体のJR東海などによる地質調査や測量が進行中。参加者は「市外の人を含めて関心を高め、計画の見直しにつなげたい」と期待を込める。 (井上靖史)

 「なかなか立派なものになりそうだ」。八日、鳥のさえずりが響く中で約二十五人が木を切ったり皮をはいだりして汗を流していた。高さ約二十メートルの二本の木をそのまま柱に使い、森カフェの骨格と床の一部が完成。今後は床を四十平方メートルに広げ、転落防止の囲いやバイオ処理するトイレ、太陽光発電などを整備する。

 完成は来春の予定で、イベントなどをする際に開放し、休憩やお茶が飲める場所になる。設計した同区の造形家高橋政行さん(68)は「心地良さを体験してもらえれば」と望む。

 車両基地は谷を三百六十万立方メートルの土砂で埋める。周辺の土地を所有する農業栗原晟(あきら)さん(72)は「近くの串川だけでなく、風の流れも変えてしまう。自然と生活が壊される」と訴える。

 市民団体「リニア新幹線を考える相模原連絡会」のメンバー十一人は一昨年四月、栗原さんの了解を得て計画地に掛かる約四千平方メートルの土地の借地権を登記し、カフェ造りを始めた。メンバーの河内正道さん(69)は「万一強制収用されることになっても、一人一人が法的な権利者として事業主と交渉できる」と話す。

 一方で、車両基地建設を前向きに受け止める住民も少なくない。自治会長やPTAなどの代表でつくる鳥屋地域振興協議会は、国家的なプロジェクトで整備もやむを得ないと反対の姿勢から転じた。

 地元の負担軽減や活性化策が欠かせないとして、先月五日に道路整備や観光振興など十一項目の要望書を市に提出。近くの宮ケ瀬湖と車両基地両方が見える展望デッキの整備などを求めている。

<関東車両基地> 2027年の品川−名古屋間開業を目指すリニア中央新幹線が営業終了後、車両を収容する首都圏側の車庫。神奈川県駅(仮称)が地下に整備される橋本駅(相模原市緑区)から南西約13キロの鳥屋地区の山あいに約2キロにわたって設ける。名古屋側の車両基地は岐阜県中津川市にできる。

 

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