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【神奈川】

野毛地区 路上営業試行錯誤 見回りで減少も「浄化」に戸惑い

路上の看板に撤去を求める紙を張る横浜市職員ら=同市中区で

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 七百軒もの飲食店が立ち並ぶ全国有数の飲み屋街として知られる横浜市中区の野毛地区で、店の在り方を巡り試行錯誤が続いている。数年前から路上にテーブルといすを置いて営業する店が増加し、町内会の見回りなどにより減少したものの、今度は「古き良き野毛の雰囲気が失われる」と懸念する声が浮上。警察の道路使用許可を得て、合法的に路上営業する検討が進んでいる。 (志村彰太)

 「路上の看板は片付けて」。十七日、町内会と市、伊勢佐木署でつくる「野毛地区環境浄化防犯協議会」が、通行の妨げになる看板の撤去を店主に求めていた。

 無許可で路上営業する店は三十年以上前から存在し、黙認されてきた。それが「世代交代で新しい店が増え、まねをする店が多くなった」と協議会会長の野口瞳さん(72)。通行人から苦情が多く寄せられたほか道交法違反の恐れがあるため見過ごすわけにもいかず、一年半前から定期的に見回りをするようになった。

 その結果、路上営業は減った一方、市の担当者は「しゃくし定規に『浄化』していいのか、戸惑いも感じる」と明かす。野毛地区は戦後の闇市から発展した歴史を持ち、道路や公園などの公共空間を使って地域活性化を目指す市の方針もある。

 同地区で老舗ふぐ料理店「村田家」を営む藤沢智晴(やすはる)さん(71)は「法律とマナーは守るべきだ。でも、雑多な街の伝統は残したい」と語る。昨年十二月に仲間と議論を始め、時間と場所を限定して路上で飲食や物販を展開する催しを開くことを考えた。

 村田家がある野毛仲通りの一部を使い、警察の許可が得られれば七月から毎月一回開催予定。通りの飲食店が料理を提供し、他業種にも出店を依頼して古着や中古品、雑貨の販売スペースも設ける。「野毛の古い価値を大切にしたい」との思いから、催しは「アナログ市」と名付ける。

 市都心再生課は「ルールを守った上で、にぎわいを生み出すきっかけにしてほしい」と期待する。藤沢さんも「安心して歩ける雰囲気と、昔ながらの野毛を両立させたい」と話した。

 

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