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【神奈川】

居住者減も違法簡宿残る 火災3年を前に川崎市が状況報告

簡宿の現状について説明する市の担当者たち=市役所で

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 川崎市川崎区の簡易宿泊所(簡宿)二棟が全焼し十一人が死亡した火災から来月で三年になるのを前に、市は二十四日、簡宿に住む生活保護受給者が発生当時に比べて四割程度に減ったことなどを明らかにした。一方で、建築基準法などに違反している簡宿は依然として残っており、市の担当者は引き続き是正指導を進めていく方針だ。 (大平樹)

 市はこの日、発生以来七回目の簡宿火災事故対策会議を開催し、建築指導課や消防局予防課、生活保護・自立支援室などがそれぞれの取り組み状況を報告した。非公開の会議後、各課が合同で記者会見した。

 市によると、二〇一五年五月末に千三百四十九人いた生活保護受給者は、今年三月末時点で五百六十二人に減った。ただ、このうち六十五歳以上の高齢者は四百二十七人と四分の三ほどを占めている上、五年以上簡宿に住んでいる人も約七割に上る。市は簡宿を「一時的に寝起きする場所」と捉え、アパートなどへの転居を支援しているが、住み慣れた簡宿を離れたくない人もいるという。

 火災発生時、市内に四十九棟あった簡宿のうち、今年三月末時点で廃業しているのは十四棟。居住者の減少による収入減に加えて、事業者の高齢化も背景にあるという。営業を続けている三十五棟のうち、一棟はリノベーションを経て主に外国人向けの安宿として営業を始めた新たな動きも出てきた。別の一棟もリノベーションを検討している。

 一方で、建築基準法などに違反している簡宿は今年三月末時点で四棟残る。このうち一棟の所有者は、市が同法違反を理由に出した使用制限命令を不服として、三月一日付で取り消しを求める訴訟を起こしたという。市の担当者は「詳細は訴訟の中で明らかにする」としている。

 簡宿火災は一五年五月十七日未明、川崎区日進町の簡宿「吉田屋」から出火。隣の簡宿「よしの」にも延焼して十一人が死亡した。市消防局は吉田屋の玄関付近からガソリン成分を検出したとして、放火と結論づけた。県警は失火と放火の両面から捜査を続けている。

 

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