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【神奈川】

「お魚博士」の思い継ぎ 油壺マリンパーク50周年

水槽越しに記念撮影できる人気の展示の前に立つ樺沢さん=三浦市で

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 水族館「京急油壺マリンパーク」(三浦市)が二十七日、一九六八年四月の開館から五十周年を迎える。魚類学者で東京大名誉教授の初代館長末広恭雄(一九〇四〜八八年)が目指したのは、海の生き物の特性を分かりやすく、楽しく伝える「サーカス水族館」。担当者は「原点を大切にし、新たな展示に取り組んでいく」と意気込んでいる。 (福田真悟)

 水槽の中を泳ぐイシダイが、算数の問題の正解を示した数字にたどりつく。館内で披露されるパフォーマンス。職員が「問題を解いたわけではありません」と笑いを誘う。魚が導かれたのは、正解に紫外線を当てていたからだ。

 「五十年前、多くの水族館は珍種をただ展示するだけ。魚が持つ感覚や特殊能力をショーの形で見せるのはオリジナリティーがあった」。開館時からの職員で前館長の樺沢洋さん(77)が力説する。

 末広はナマズに地震の予知能力があることを確かめるなどユニークな研究に力を注ぎ、「お魚博士」として親しまれた。小説やエッセーの執筆、作曲もこなすなど多彩で、サーカス水族館の構想は自身が著した同名の科学小説が基だった。

 「知識の押し売りではなく、客を喜ばせる方法を考えてほしい」。末広の呼び掛けに、職員は魚を三百六十度、見渡せる回遊水槽での餌づけなど、新たな試みを次々と実現。来館者は十四年で一千万人を突破し、ご成婚前の秋篠宮ご夫妻が初デートに訪れたことでも知られる。

 樺沢さんは、末広は展示を通じ、経済成長によって破壊される自然への敬意を持ってもらいたかったのではと考える。「『近頃の人間は傲慢(ごうまん)。このままでは滅びる』と言っていた」

 その思いは十分に引き継がれている。九五年に館長に就いた樺沢さんの下、地元の子どもらと県内種の保護と繁殖に着手。今月、バトンを引き継いだ鈴木和博館長(63)も「職員一人一人がアイデアを出して考える『手作り水槽』のコンセプトで展示を企画していきたい」と意欲を示した。

 マリンパークは二十八日午前九時十分から、人気者のコツメカワウソがくす玉を割る記念セレモニーを開く。午前九時〜九時半に来館すると入場無料、その後も小学生以下五十円、中学生以上五百円と通常(大人千七百円など)より安く入れる。先着五百人には記念品も贈る。問い合わせはマリンパーク=電046(880)0675=へ。

 

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