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【神奈川】

加古里子さん死去「自分より子どもの幸せ」 ゆかりの人ら悼む

加古さんの絵本を集めた店頭の特設コーナー=幸区の北野書店で

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 二日に九十二歳で亡くなった絵本作家の加古里子(かこさとし)(本名中島哲(さとし))さんは一九五〇年代、川崎市幸区内を拠点に、貧しい子どもの教育を支援する社会事業(セツルメント)に参加しており、活動で縁のあった人たちが故人を悼んでいる。また、加古さんと交流があった北野書店(幸区新塚越)には、「だるまちゃん」シリーズなど加古さんの作品のコーナーが設けられ、絵本などを手に取る人の姿が見られる。(小形佳奈)

 川崎でセツルメントの活動をしていた一橋大名誉教授(教育社会学)の藤岡貞彦さん(83)=横浜市中区=は加古さんについて、「自分の幸せより子どもの幸せ、というのが口癖で、それを実践していた」と振り返る。

 加古さんは、川崎市にある昭和電工の研究所で働きながら、セツルメントに参加。藤岡さんは「大会社の優秀な技術者が日曜日の朝、保育所に集まった子どもたちと遊ぶ姿が印象的だった」。

 「(東大の)駒場祭で、大講堂に集まり、がやがやしていた小学生が、加古さんが登壇して話し始めた途端、静まり返って聞き入っていたのが忘れられない」と振り返るのは、港南区の幼稚園長安部富士男さん(87)。

 「家族を亡くした悲しさと生活の苦しさから立ち直るきっかけをセツルの子どもたちが与えてくれた」と幼児教育の道に進んだ安部さん。藤沢市の加古さんの自宅を訪れて園児の様子を報告すると笑顔であいづちを打ってくれたといい、「セツルは私の“恩人”。その恩人を草創期に支えておられた加古さんには精神的にも助けてもらった」と話す。

 

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