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【神奈川】

太陽光パネルで発・売電 酒米生産 休耕田解消へ光

設置した太陽光パネルの下で構想を練る小山田さん(左)と川久保さん=小田原市で

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 農地で作物を作り、太陽光発電も行う「ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)」に取り組む合同会社「小田原かなごてファーム」(川崎市)は、小田原市桑原の休耕田に太陽光発電パネルを新設した。6月から耕作し、国の事業計画認定を受け次第、発電と売電を行う。水田での営農型発電は県内初という。 (西岡聖雄)

 休耕田は千百八十四平方メートル。人手不足で五年前から耕作放棄されていた。地主に土地を無償で借り、地上二・五メートルに二百八枚の太陽光パネルを設置した。最大出力は六十キロワット弱で、年間百五十万円の売電収入を見込む。設備費は、県の地域主導再生可能エネルギー事業の補助金六百六十五万円を含む千四百万円。

 同社共同代表で地元農家川久保和美さん(64)らが耕作し、酒米を生産。趣旨に共鳴した大井町の井上酒造が酒米を買い取り、日本酒を醸造、販売する。

 かなごての営農型発電は、小田原市曽我岸の休耕地(三百二十七平方メートル)で二年前に始めたサツマイモ栽培に続き、二カ所目。サツマイモは芋ようかんとして商品化されている。畑の売電収入は年間六十万円。

 県によると、県内の営農型発電は二〇一三年度から始まり、パネル設置に必要な農地転用許可件数は累計二十二件(三月末現在)。多い順に中井町(十三件)、小田原市(五件)、秦野市(二件)、藤沢市と横浜市が一件ずつで、県西地域が多い。千葉県(三百四件)や静岡県(百四十三件)に比べ、普及していない。

 県内の栽培作物はサカキや茶が中心で、米はなかった。パネルの支柱周辺は耕運機を使えず普通の稲作より手間はかかるが、川久保さんは「ボランティアを募り、休耕田を解消したい」と意欲を燃やす。

 県内の農地面積は二万ヘクタールで、耕作放棄地は二千五百ヘクタールに上る。農家の高齢化や後継者不足で今後も増えるとみられ、同社は県西地域で営農型発電を広げ、荒れ地の解消を目指す。

 共同代表の小山田大和さん(38)は「水田でも営農型発電が十分可能なことを証明したい。売電が副収入を生むことも知ってもらい、後継者不足を解決したい」と話す。自然エネルギー発電に期待する小泉純一郎元首相も視察し「稲作地帯での太陽光発電は画期的で、全国に広がってほしい。日本酒ができれば是非味わう」とエールを送った。

 

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