東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 記事一覧 > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

映画館「横浜ニューテアトル」 63年の歴史に幕

6月1日で63年の歴史に幕を閉じる横浜ニューテアトル=中区で

写真

 横浜の「老舗」映画館が六十三年の歴史に幕−。横浜市中区の関内駅近くにある「横浜ニューテアトル」が六月一日に閉館する。地域に根差した映画館として親しまれてきたが、支配人の体調不良などにより営業を続けられなくなった。閉館イベントとして、ゆかりの映画監督の舞台あいさつや、映画を上映する。 (鈴木弘人)

 商店街「イセザキ・モール」のメインストリートから一本入った裏道に、緑と赤の外観が特徴的な同館がある。入り口横の階段を下りた地下の劇場(百十八席)でここ十数年は、ミニシアター系の作品を中心に上映してきた。

 一九五五年に東京テアトル(東京都新宿区)の直営館「テアトル横浜」として開館。七二年に現支配人の長谷川善行さん(56)の父重行さん(故人)が買い取り、現在の名前になった。

 九六年に跡を継いだ長谷川さんが最も印象に残っている上映作品は、横浜の街を真っ白な服で歩いていた娼婦(しょうふ)を追ったドキュメンタリー「ヨコハマメリー」。二〇〇六年に同館が最初に上映して話題を呼び、連日百人ほどの列が開館前にできた。

 ドキュメンタリーとしては異例の六週間のロングラン上映に。市内出身で同作監督の中村高寛さんは「映画監督としての原点がニューテアトル。若い頃から通っていたので、寂しい思いでいっぱい」と惜しんだ。

 一九八〇〜九〇年代は年約五万人が観賞に訪れた。九〇年代後半から二〇〇〇年代にかけ、市内にシネマコンプレックス(複合映画館)が相次いでオープンし、ここ五年の観客数は年一万〜二万人台にとどまった。

 長谷川さんは一一年三月に心臓を患い、五カ月入院。両耳が聞こえにくくなるなどの後遺症が残る中、同館を切り盛りしてきた。後継ぎもおらず、「そろそろ限界だと思った。多くの人に来てもらい、記憶にとどめてもらえれば」と話す。

 閉館イベントとして、二十七日の「この世界の片隅に」(午後零時半〜)と「マイマイ新子と千年の魔法」(午後三時半〜)の上映後、舞台あいさつで同館をよく訪れた両作監督の片淵須直(かたぶちすなお)さんが思い出を語る。六月一日午後七時半からの最終上映作品はヨコハマメリー。終了後、午後十時まで客席を無料開放する。問い合わせは同館=電045(261)2995=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報