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【神奈川】

世田谷一家4人殺害事件遺族・入江杏さん 横浜で7月7日に講演

連続講座のチラシと自著を手に参加を呼び掛ける入江さん=東京都港区で

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 二〇〇〇年末に東京都世田谷区で一家四人が殺害された事件で犠牲になった宮沢泰子さん=当時(41)=の姉入江杏さん(60)が七月七日、横浜市青葉区で講演する。「誰もが経験する深い喪失や別れとどう折り合うのか伝えたい」とし、殺人事件の被害者遺族としての経験や悲しみとの向き合い方を話す。 (加藤豊大)

 「事件直後は絶望から外にも出られなかった。家族を失うつらさが分かったはずなのに、『自分も死んでしまいたい』と考えるほどだった」

 当時、泰子さんらの家と隣り合った住宅で暮らしていた入江さん。泰子さんの夫みきおさん=同(44)、長女にいなちゃん=同(8つ)、長男礼くん=同(6つ)=を合わせ四人を一度に失った。入江さん家族は事件から一カ月後に引っ越した後も長い間、世田谷区周辺に近づけず、友人にも事件の遺族だと伝えられなかった。

 七回忌を迎えた二〇〇六年、「悲しみに向き合わなければ」と、四人との思い出や絶望からの再生の道を描いた絵本を出版。各地で講演や犯罪被害者、遺族らと交流するうち「大切な人を失った苦しみを安心して打ち明けられる場所が必要」と考えるようになった。

 同年から毎年十二月、悲しさやつらさを語り合う集い「ミシュカの森」を開催。一三年にはそうした思いなどをつづった「悲しみを生きる力に」を著した。

 「誤解されるとか、心無い言葉を浴びてしまうかもとか、自身の体験を打ち明けるのには不安がつきまとう。それでも苦しみを乗り越え人生を『生き直す』には、思いを吐露することが必要。苦しみを抱えている参加者がいたら、ありのままを話していいと声を掛けたい」と語る。

 講演は「生き心地の良い地域づくり」をテーマに、青葉区のコミュニティーカフェ「スペースナナ」で今月二十六日から来年二月にかけて開かれる全九回の連続講座の一環。初回のスクールソーシャルワーカー土屋佳子さんはじめ、各回多様なゲストが語る。一講座のみの参加も可。参加費は一回七百円(来年一月の映画上映のみ千円)。申し込み、問い合わせはスペースナナ=電045(482)6717=へ。

 

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