東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 記事一覧 > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

横浜市へのIR誘致 候補地すら決まらず 地元「見込み薄い」の声も

和歌山県が構想するIRのイメージ図(同県提供)

写真

 カジノを含む統合型リゾート(IR)整備法案が国会で審議される中、かつて「税収確保の有力な手段」とIR誘致に前向きだった横浜市の動きが止まっている。一方で和歌山県や大阪府・市など少なくとも5地域が具体的な誘致場所を示して名乗りを上げ、地元からは「横浜に誘致される見込みは薄くなった」との声も出始めた。 (梅野光春)

 法案は二十二日に衆院で審議入りし▽カジノと国際会議場、ホテルなどを一体的に整備▽全国で最大三カ所▽日本人は入場料六千円、外国人観光客は無料−といった点を盛り込んだ。来月二十日までの今国会で成立する可能性がある。

 こうした状況下、横浜市の林文子市長は二十五日の市議会で「現段階では白紙の状態」と答弁した。もともとIRを歓迎していた林市長は、昨春からギャンブル依存症への懸念を重視し、発言を後退させた経緯がある。

 誘致を目指す自治体の動きは活発だ。和歌山県は八日、「IR基本構想」を発表。和歌山市沖の人工島「和歌山マリーナシティ」の約二十ヘクタールに誘致するとした。構想にはイメージ図も描かれ「IRが最初にできる地域を目指す」と担当者は力説する。

 長崎県はハウステンボス(佐世保市)に誘致する。先月二十六日には有識者がまとめた基本構想を公表。担当者は「二〇〇七年からカジノ導入に動き、地域の合意も進んでいる」と強調する。

 「必ず三カ所のうちに入りたい」と、大阪市と共同で誘致を狙う大阪府の担当者も譲らない。二五年大阪万博の開催をもくろむ人工島「夢洲(ゆめしま)」(大阪市)を候補地としてリーフレットを作成、PRに力を入れる。

 二市一村がIRを望む北海道で、最も優位とみられる苫小牧市は「人口減少が始まり、産業創出が必要」と切実。新千歳空港に近い山林が候補地だ。愛知県も中部国際空港(常滑市)がある人工島に誘致を検討する。

 横浜市は候補地すら決まっていない。有力だった山下ふ頭(中区)は、地元企業グループの反対で見通しが立たなくなった。それでも、誘致に積極的な横浜商工会議所は「三つの中に入るよう期待している」(川本守彦副会頭)と姿勢を維持。市民に理解を求める方法を模索している。

 これに対し、カジノ誘致反対横浜連絡会の菅野隆雄事務局長は「誘致を明言しないため、IR事業者の視線が横浜以外の地域に向いているようだ。誘致の可能性は下がった」と分析。「このまま誘致されないよう、反対運動にいっそう力を入れたい」と続けた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報